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 —— Moonlight scandal(42)

 時々キツく吸い上げられて、身体が震えてしまう。  裏筋に舌を這わせられると、一気に水位が上がってくる。 「…… あ……、っ、はぁ…… ぁ、」  唇がカリに引っ掛けるように刺激して、蜜口を硬く尖らせた舌先を這わされて、駆け抜ける快感に背中を反らした。   段々と息が上がってくる。 思わず声が漏れてしまう唇を自分の手の甲で塞いだ。  プールの中に浸けたままの足先が震えて、水の跳ねる音を立ててしまう。  透さんの唾液と俺の先走りが混り合って、卑猥な水音も辺りに響いている。  声や音が、静かに吹く風に乗って、誰かの耳に届いてしまったらと思うと気が気でないけど、舌を絡めながらピストンされれば、快感に呑まれて、ここが外だということも忘れてしまいそうになる。  透さんの濡れた髪や色白な肌が、青白い仄かな月の光に照らされて揺れている。 伏せた睫毛が、頬に青い影を落としていた。 —— 綺麗だな…… って、ついうっとりと見惚れてしまう。  でも、時々吹く風が木々の葉を揺らす音や、道路を走る車の音が遠くに聞こえてくる。  —— そうだ、ここは外なんだ! と、気配を感じる度に思い出して、心臓が大きく跳ねた。  こんな事してるところを、誰かに見られたら……。 って、思う。 でも焦る気持ちとは裏腹に興奮度は増していってしまう。  —— 気持ち、いい……。  双珠を揉みしだかれて、吐精感がせり上がってくる。 「あぁ……、もっ、イきそっ……」  唇を手の甲で塞いで、声を圧し殺しながら訴えると、透さんが頬を窄めて更にキツく吸い上げてくる。  次の瞬間、俺は身体を大きく震わせた。 「ああっ…… ダっ!」  そのまま、透さんの咥内へと欲を吐き出してしまっていた。 「はぁ……、はぁ、」  数度に分けて放ったそれを、透さんの白い喉が上下して、コクっと飲み込む音がする。  唇の端から、飲み込みきれない白濁が一筋零れていた。 「透さん…… っ」  透さんの口端から零れ落ちるそれを拭おうと 伸ばした指を、透さんの手に捕まえられて、チュッとキスされた。 「気持ち良かった?」 「うん……」  見上げてくる漆黒の瞳に、誘われるように、唇を近付けたその時、 「…… シッ、誰かくる」  透さんが声を潜めて言った言葉に、ドキリと心臓が跳ねた。

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