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—— Moonlight scandal(47)
「透さんっ? びっくりした!」
「食事の準備できたから、俺も一緒にシャワー浴びようと思って」
透さんは、俺の隣に立って、シャワーを浴び始める。
さっき思い出してしまった、プールでの透さんの姿と重なって、目のやり場に困る。
「どうかした?」
不意に透さんに聞かれて、思わず目を逸らしてしまった。
「え? 別に……」
淫らな想像をしていたのを、見透かされそうで、俺は透さんに何気なく背を向けた。
「さっきから、何拗ねてるの?」
「す、拗ねてなんかないよ」
「そう?…… ところで、」
透さんが、肩口から覗き込んで、俺の下半身に視線を落とした。
「どうして勃ってるの?」
「こっ、これは!」
焦って視線から逃れるように両手で隠そうとしている俺を、透さんに後ろから抱き締められる。
「これは? 何?」
耳元に唇を寄せて囁かれただけで、俺の半身がまたヒクリと反応してしまう。
「何でもないってば」
そう言っても、反応してるモノは誤魔化せないけど。
「俺、身体洗おうっと」
透さんに後ろから抱き締められたままの状態で、ボディソープに手を伸ばそうとするけれど、後ろから伸ばされた手に、遮られてしまう。
「洗ってあげるよ」
泡を付けた手で背中を撫でられて、くすぐったさに身を捩って、透さんを見上げれば、キスで唇を塞がれる。
閉じたままの俺の唇を、透さんの舌になぞるように優しく舐められて……。
「…… んっ……」
それだけで、ぞくぞくした甘い痺れが腰から背中へと駆け抜ける。 声が漏れて弛んだ唇を、透さんの舌は難なく割入ってくる。
歯列を宥めるようになぞられて、引っ込めていた俺の舌は、透さんの熱い舌に直ぐに絡め取られる。
身体はいつものように透さんを求めて火照っていく。
だけど、さっきから何となく自分の心の隅っこでモヤモヤしているものを無視できない気がした。
—— なんかやだ、こんな気持ちのまま……。
腕を突っ張って透さんから身体を離せば、不思議そうに顔を覗き込まれて、思わず顔を背けてしまう。
「どうしたの? やっぱり何か怒ってる?」
「ち、違っ、怒ってなんかないよ」
透さんに、怒ってるじゃないんだ。 俺が……、自分が情けなくて。
「拗ねてる直くんも、可愛いけどね」
透さんはそう言って、クスリと笑う。
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