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中盤のイベントの場面。 氷の中に人影が映る。 「右が父さんで、左が兄さんだよ」 「お、おう」 氷も映像だと分かっていても、本物のように見える。 「どうやれば立体的になるんだ? こんな…」 「プロジェクターの位置がポイントなんだよ」 「あっ、そうか…ここ…」 「そ。観客席からは見えにくい所に、プロジェクターが隠されててね。ここと、ここ…。それから、ここにも」 「………凄い…っ。 これが現実になるのか?」 「うん。 会場の見取り図にも置く場所と角度を入れてあるからね」 「ああ…。う、うわ…っ」 氷が粉々に砕けて弾けた。 その氷の粒が雪の結晶になり、舞い上がる。 「これ、実際の雪の結晶を撮影したやつか?」 「ううん。僕がCGで作ったよ。 何種類だったっけ…」 「凄いな、透明感がある。CGじゃないみたいだ…」 舞い上がった雪が星と共に降ってきた。 「どう…?秋斗さんがイメージしてるのとズレてなきゃいいんだけど…」 「ズレてないどころか、俺が頭の中で思い描いてたイメージそのもの……。いや、それ以上だ。 凄い。凄いな、霖…!」 クリスマス直前に行われる、国内最大級のファッションイベント…。 そのイベントに使うプロジェクションマッピングが、どうしてもしっくり来なくて困っていたのだ。

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