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第2話 息子の友達

 弓月はとても良い子だった。  素直で純真無垢で、見てるとほっとけないような子だった。  初めて会った日から一ヶ月が経ち、弓月は時々家に遊びに来るようになり、話す機会も多くなった。  と言っても、はるとが大成と部屋でゲームをしてイチャイチャしてる間、ゲームが下手な弓月がキッチンに来て、清十郎の手伝いをしてくれるのだ。  手際が良く、丁寧な仕事をしてくれる弓月に、清十郎は感謝の言葉しか無かった。  まだ十九歳だと言う弓月はとても綺麗な顔立ちをしているからか、年相応には見えず、未成年だとは思えない。  それくらい美しい顔なのだ。  こんなオヤジが見惚れるほど……。 「僕の顔に何かついてますか?」  でもそれは、容姿だけではないのかもしれない。しっかりした性格も相俟っているから、そう見えるのかもしれない。 「い、いや……」  弓月の生い立ちを聞いたのはつい昨日。  一人暮らしをしてると聞いて、他県から来たのかとはるとに聞いたのがきっかけだった。  その質問に、はるとは最初、言うかどうか迷っていた。けれど、弓月が清十郎といる時の方が笑顔が多いからと話してくれた。

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