会おうと思ったら会える 会おうと思わなかったら、簡単に顔を合わせることはない 僕の予想どおり三田さんは姿をみせなかった。電話もメールもなかった。そもそも僕らはあまり携帯を使うことがなかったし。 ひとつ上に行けば、そこに住んでいる相手に会うことを僕は躊躇していた。 何を言っていいかわからなかった 何か言いたいのかさえ、わからなかった 『手紙を書く』と妹に言ったのに、僕は何度も試みて毎回失敗している。 あの人に・・・手紙で何を伝えたいのか？ 謝ってほしいのか？謝りたいのか？ 何も言わずに、姿を消した理由を伝えたいのか？ そもそも何かを言える状況でもなかった…。じゃあ、僕は何をどうしたい？ ただわかっているのは、逃げることをやめたい…それだけだった