6 / 16

椿の花が落ちる頃 五

弥三郎はぐっと俺の腰を引き寄せ、そそりたった自分のモノを俺の中へ入れる。 ぐちゅりと濡れた音が響き、甘い声が漏れる。 「あぁ…っ、奥に、届いて…!」 「椿、気持ち良さそうだね…」 弥三郎は俺の髪を撫でながら、腰を少しずつ動かし始める。 普通だったら、ゆるゆるとした腰の動きだけでもいいのだが、今は薬も効いており、奥がむず痒い。 弥三郎の動きが物足りず、俺は自ら腰を動かし始める。 「椿、私の動きだけでは物足りないかい?」 「ん…っはぁ…、ごめん、なさい…奥が、痒くてぇ…たまらないから…!」 手足を縛られているせいで、尻だけを一生懸命動かしているその姿は、とてもいやらしい姿だと思った。 「じゃあ、手伝ってあげようね」 弥三郎はゆるゆると動かしていた腰を思いっきり突いた。 深く突かれた衝撃で、背筋がびくりと反り上がった。 そのまま激しく抜き差しされ、今まで感じたことのない快感が俺の体を巡る。 痒いところを激しく掻かれる気持ちよさ。 その気持ちよさに、俺は白濁した液体を下腹部から吐き出した。 「あれ?イッた?」 後ろで弥三郎は笑みを含みながら、俺に話しかける。 イッた直後の脱力感で、ぐったりとしていた。 「早いなぁ…私はまだなのに。もう少し、頑張ってほしいな」 弥三郎はもう一度、椿の奥まで突いた。 「んぁあ…っ」 絶頂を迎えたばかりの体は敏感で、直に弥三郎を感じてしまう。 「お願い…ちょ、っと、待って…」 弥三郎に懇願する。 しかし… 「だーめ」 弥三郎はにこりと笑いながら、激しく突きはじめる。 皮膚と皮膚がぶつかる音と俺の掠れた声が混じる。何度「やめて」と言っても、止まることなく、夜は更けていった。 気づくと両足両手の拘束はなくなり、四肢を伸ばして横たわっていた。 身体中が痛い。 外を見るともうすぐ太陽が顔を出しそうな明け方であることが分かった。 いつもは障子を閉めているのに…とぼんやり思っていると、開け放たれた障子のすぐそばに弥三郎が座っていた。 着物をはだけさせ、髪は少し乱れている。 弥三郎がこちらに気づくと、飄々とした調子で「おはよう」と言ってくる。 疲れなどなにも感じていないようだ。 声をだそうとすると、掠れたような声しか出ない。 「昨日はたくさん声を出したから、掠れちゃったね」 「……あんたのせいだろ」 むすっとしながら答えると弥三郎はくすくすと笑った。 「こんな声じゃ、他の客取れないじゃん」 「そんなもの取る必要ない」 少し冷たい声で言い放される。 「椿」 弥三郎は俺のそばまで寄り、そっと口づけをする。 「君を買おう」 まだこれから寒くなるであろう師走。 温もりが残るなか、弥三郎の真っ直ぐな瞳を見つめ返した。

ともだちにシェアしよう!