9 / 16
椿の花が落ちる頃 八
弥三郎は縄と縄の間にある俺の胸をぴちゃぴちゃと舐め始めた。
身をよじりたいけど、体を縛られてる上に、弥三郎は俺が動かないように腕を掴んでいる。
「んん…っふ…ぅ…」
優しく舐め回しているかと思えば、時折、俺の胸の突起を甘噛みされる。
「…っぁう!」
触られる度に甘い声をあげてしまい、それがまた羞恥を誘う。
弥三郎は俺の胸から口を離す。銀糸が、弥三郎の唇と俺の胸を繋いで、切れた。
「男でも胸で感じるのだな」
「毎晩毎晩、弄り回しやがって…」
「椿は可愛いが、口が悪いな…。っよ!」
「っうわぁ!」
弥三郎は掛け声とともに俺を抱えて、柔らかな布団の上に横にした。
「ちょ…っ急に…」
「椿」
弥三郎は、俺に接吻をする。
ぬるりと舌が入ってきて、歯の裏、舌をなぞる。
「椿、君は私のものだ」
あぁ、その目だ。
嗜虐的な狡猾な目。
その目で見つめられると、俺はただ口をつぐんで、従うしかない。
「素直じゃない君も好きだが、素直になる君はもーっと好きだ」
懐から小瓶を出す。
中には蜂蜜のようなとろりとした媚薬が入っている。
「それ、やだぁ…」
「どうして?」
「それ使うと、…おかしく、なるから」
「そうなの?おかしくなった椿見たいなぁ」
弥三郎は小瓶からとろりと指に薬を出す。
その薬をぐちゅりと俺の秘部に入れる。
「やぁ…ぁん…!」
ぐちゅぐちゅと濡れた音をたてながら、弥三郎の指はどんどん奥へと入っていく。
「おねがぃ…!弥三郎さまぁ…もう、そんな奥…っまで…入れないでぇ…!!」
「しっかり濡らさなきゃ、痛いだろ?」
俺は大きく足を広げ、仰向けになった蛙ような姿になっていた。
弄られる度にじんじんとしたきた。
ヤバいヤバい!
奥が痒くなってきたような気がする!
熱い…!
「弥三郎さま…っ奥が熱い…!痒くなってきて…!」
俺は苦しくてたまらず、途切れ途切れにどういう状況か弥三郎に伝えた。
「うんうん。それで?」
相変わらず、ニコニコとしている。
「お願い…!掻いて…っ!」
「んー?掻いてるじゃないか、指で」
弥三郎は指を中で動かす。
壁を掻くように動かしたため、俺の体はびくりと跳ねた。腕ごと縛られているから、陸に上がった魚みたいだ。
「違うのぉ…っ指じゃなくて…弥三郎様の、その…」
「はっきり言わないと分からないなぁ」
何で、この人はこんなに性悪なんだ…!
心の中で悪態をつきながら、俺の顔はだらしなく蕩けきっていた。
「弥三郎さまの、大きな一物でぇ…俺のお尻の穴をぐちゃぐちゃにかき回して下さい…っ!!」
俺は羞恥に苛まれながらも、奥のむず痒さに負けて、大きな声で叫んだ。
あぁ…他の部屋にも聞こえてるかも…とぼんやり頭の片隅に思ったが、弥三郎は「よく言えました」とにこりと笑って、自分の滾ったものを勢いよく奥に入れた。
「んんんっ!!」
お互いの肌が、汗やら体液やらのせいで湿り気を帯びた音を立てている。
弥三郎は律動を早め、俺の奥へ穿つ。
「は…っはぁ…!んんぅ…!!」
パンパンという音と同じ感覚で、俺の喘ぎ声もどんどん大きくなる。
「もう…っ弥三郎さま…、もう、イくぅ…っ!!」
「あぁ、もう…イきなさい」
それを合図にするように、俺は自分の一物から精を吐き出した。
ほぼそれと同時に弥三郎も俺の奥に己の劣情を注いだ。
じわりと熱くなるものを下腹部に感じながら、俺は眠りへと落ちていった。
ともだちにシェアしよう!