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第5話
ナオトはカオルと店を出た。
出来上がりました、とふざけた断りをいれたシオンママには、ゲスい顔で後日の報告を義務づけられて、少々照れた。
アルコール無料券十枚綴りを渡されたのは、ナオトともう一人、コーイチと連れ立った大柄な青年だった。それから四人並んで近場のゲイ御用達ホテルに向かうことになり、俄かに戦々恐々としたが、部屋は別々で安心した。
「ええと……どこまでオッケイ?」
「はは……」
ベッドの前に立つ、バスローブのカオルを見上げた。先にシャワーを借り、簡単にだが、全部洗ってきた。
「暴力以外は、なんでも大丈夫ですよ」
「添い寝とか」
「ハハ、それは歓迎です」
「じゃあしようか、まず」
「はい」
笑って抱き合い、ベッドに転がった。流れでバスローブを脱がしあい、頭上のスイッチでライトを切り替え、常夜灯だけにして互いの体をまさぐった。
「あ…………ぁ、は」
「感度いいね」
「はは……」
カオルの指はカサつき、触り方はいやらしかった。覆い被さる体に敷かれ、乳首を舐められ、掠める指で内腿をくすぐられてナオトは熱く鼻を鳴らした。
「元気だ」
笑われると恥ずかしい。ナオトの体は、シャワーの時点で興奮していた。
乳首を吸われ、勃ち上がった上下を刺激され、足を開いてだらしなく悶えた。
「ん…………ふ」
「かわいいなあ……」
「あぁ————」
後ろをくすぐられ、ナオトは膝を立てて尻を揺らした。若い相手に醜態を晒すのは気が引けるが、カオルには不思議と全てを晒すことが出来た。部屋は暗く、互いの年齢に意識が向くこともない。ナオトは正直に本性を見せ、カオルの熱く柔らかな体に、足を回して絡みついた。
「こら、動けないよ」
「ん、カオルさん……」
「はいはい」
「あ、あは」
多少緩みのあるカオルの体が、ナオトに安心感を齎した。前戯は長く執拗で、ナオトは太い指に散々に焦らされて腰を振り、声が枯れるほど喘がされた。これ以上はどうにかなりそうで、もう入れてくれと泣きながら懇願し、熱く疼く場所を開かれた。
「入れるぞ」
横臥の姿勢で充てがわれたものに、息を浅くした。背中からゆっくりと入ってくるものに、力を抜いて熱を上げた。半ばほどで足を開かされ、深く嵌まったものを動かされ、ナオトは感極まって咽び泣いた。淡々と動き続けるそれにもどかしく泣いて自身を握り、乳首を抓ってビクビクと跳ねた。
もっとと強請る鼻声に、背中のカオルは苦しげに呻き、忙しなく腰を振ってナオトの中を擦り立てた。酷い音で滑るそれに体が燃えて反り返り、耳に舌を入れられ、ナオトはひいと悶えて尻を捻った。ううと唸ったカオルはしかし、酷く息を荒げただけで、終わりを迎えることはなかった。それから当分時間が経ち、俯せで啜り泣く以外、碌に反応も出来なくなったナオトのこめかみに、カオルは苦しげに、極度の遅漏であることを告白した。
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