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第3話
「キオ、キオ……っこれ、もう、消えたでしょ……?」
帰宅するなり、トウヤが必死の形相で這いずってきた。
すぐさま腹を見せると、赤らんだ皮膚と、微かに残る油性ペンの名残が見えた。
あれから3日。
完全には消えていないが、元の文字が判別出来ない程度にはなった。余程擦ったのか、ところどころ肌が擦り剝けている。
トウヤがここまで必死な理由は、ただひとつだ。
今も答えを待ちながら、両手を股間の下に潜らせ、黒く卑猥な尻尾を掴んでいる。押し出されそうになるのを、懸命に押し返している。
アナニーみたいで可愛いけど、本人はそれどころではないのだろう。
「待ってよ、俺、今帰ったばっかりなんだけど? 着替えて行くから、リビングで待ってな」
わざとらしく溜息を吐いて、手で追い払う。
キオは迫力のない恨みがましい目つきで俺を睨んでから、よたよたとリビングへと向かった。その最中にも、手は尻尾を押さえている。
それほどまでに、出したいらしい。
俺はゆっくりとスーツを脱いでから、リビングへ入った。
部屋の真ん中で、トウヤは震えていた。
「どれ、よく見せて」
「っ……」
俺は悠長に、トウヤの腹を観察する。今度は皮膚ではなく、内側の様子を。
心なしか少し出っ張り、時折、ぐるぐると唸るような音が聞こえる。どうやら、そろそろ限界のようだ。
それでも勝手をせず、健気に俺の言いつけを守り、帰宅を待っているのだから、俺たちやっぱり、相性はいいよな。
「ところで、どうした? さっきからそわそわして」
さわさわと優しく腹を撫でながら、問いかける。
「……もう、出したい……」
「何を?」
「…………うんこ、出したい」
こういう時に色気に欠けるのはちょっとネックだけど。
まあそれは、致し方ないところもある。長年付き合ってきて、今更AVみたいな台詞吐かれても、笑ってしまうだろうし。
「ま、いいよ。シート持っておいで」
トウヤの顔が、ぱあっと晴れた。いそいそと、収納ケースに駆け寄る。
適応能力って凄いよな。
最初に小便させる時、ペットシートにさせたら、嫌そうな顔をしていたのに。
早くもこいつにとって、自分の排泄する場所はトイレではなく、シートの上になってきている。
「はいっ」
大判のそれを、遂には自分から敷いた。
まあこいつの場合、素質も充分にあったんだろうなあ。
「じゃあ、乗って。ディルドも出していいぞ。ただし手は使わない事」
「ええぇ……」
「簡単だろ? もう押さえてなきゃ抜けちまいそうなんじゃねえの?」
「で、でも……」
「ほら、やれ。折角だからな、記念に動画に収めておいてやろう」
「えっ、ちょっと!」
「早く。やらないなら、俺は寝るぞ。明日も早いからな」
「わ、かった……」
少しの問答を経て、結局トウヤはシートの上でしゃがみ込んだ。どうせこうなるの、分かっていただろうに。
まだ多少、恥ずかしいなんて気持ちが、残っているようだ。
……あー……そうでもないか。
しゃがんでいれば死角が増えるというのに、トウヤは位置を定めると両手を前につき、四つん這いに近い姿勢になった。
ひくひくと、小刻みに出入りをしているディルドも、大口を開けて咥え込んでいる穴も、丸見えだ。
協力的でよろしい。
ご要望通り、しっかりと携帯のカメラを起動してやる。
「ふ、ぁ……っん、く、ぅ……で、る……っ」
少し息むと、ずるりと10センチほど、ディルドが押し出された。
そこで一呼吸を置いてから、一気に、長いそれが排出されていく。
「あ、あぁっ……! ふぁ、ああっ……」
嬌声と共に勢いよく押し出されたディルドが、ごとりと床に落ちる。改めて全体を見ると、えげつない玩具だ。
だが本番はここからだ。
完全に口を開けたままのアナルがくぱくぱと収縮し、やがて玩具とは質感の違うものが顔を覗かせた。
「ん、ぅう……っ」
ぼと、と重みのある音と一緒に、シーツに落ちる。
断続的に数度繰り返され、トウヤの尻の下には、こんもりと悪臭のする山が出来上がった。
動物というのは基本的に、体格に合わせて排泄物の量も増えるわけで、やはり犬猫とは違うなあなどと、どこか冷静に考えていた。
カメラはじっと、ぱっくりと開いたアナルが何も吐き出さなくなるまで、動き続けた。
「キオ……全部、出た……」
最後にトウヤは、困憊したような声で弱々しく呼びかけ、こちらを振り返る。
「ああ、お疲れ。ついでに風呂にするか。また中まで洗ってやるから」
録画を止め、トウヤ傍に行き手を貸してやる。
肉体的にしろ精神的にしろ、ここまでの負荷は初めてだろうし、一応こっちも気を遣っての行動だった。
「ほら、シートは片付けておくから、先に……」
「っ……」
トウヤの体を抱き起す。
管を差し込まれたままのペニスは、がっつりと上を向いていた。
「なに、お前うんこして勃起したの」
「…………」
「それとも、するトコ見られたから勃起した?」
「わかんない……けど、なんか…………良かった……」
トウヤの目が泳いでいる。普通に原因が分からず、困っているらしい。
ただ何かしらに反応し、フル勃起に至ったようだ。
ああ、いい調子だ。
「そうかそうか。じゃあ風呂出たら、俺ので犯してやろうな。さっきの動画でも見ながら」
「ぁ……うん」
トウヤは顔を赤く染めながらも、頷いた。
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