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『来年も再来年も、ずっと……』(12)
その顔が、また色気ダダ洩れで……。
「もう……透さん、口の周りベタベタになっちゃったじゃん」
一応、文句っぽい言葉を言ってみたけど、ちっとも本気で怒る気にはなれない。
「でも、ちょっとあの夜みたいだったでしょ?」
そう言って、果汁と生クリームでベタベタしている俺の口の周りを指先で拭って……、その指を舌でペロっと舐める。
その仕草が色っぽいんだけど、それもあの夜と全く同じ。そして俺もまたあの時と同じで、やっぱり今もめちゃくちゃドキドキしてしまう。
「このままじゃ、生クリームで服が汚れるかもしれないから脱ごうか」
「えっ?」
ケーキ食べてるのに、服脱ぐの? って言うか、服脱ぐのに、まだケーキ食べるの?
って、頭ん中でグルグルしてるうちに、手早くセーターとその下に着ていたTシャツもいっぺんに脱がされて。透さんは自分のネクタイを緩めながら、また唇を重ねてくる。
「……ん……っぅ」
挿し込まれた舌は甘くて、そして俺の口の中も甘くて、生クリームと苺の味が混ざってる。
「喉乾いた?」
漸く唇を離してそう言うと、透さんはグラスにシャンパンを注いで一気に飲み干した。そしてまた後頭部を引き寄せられて、唇が塞がれて、口移しでシャンパンを流し込まれる。
流し込みながら、同時に舌も挿し込まれて……咥内でシャンパンの液体とお互いの舌が絡み合う。
飲み込めなかったシャンパンが口端から零れて、顎から首筋へと伝い落ちていく。
「……っ……んっ……ん」
微量だけど、喉にも流れてちょっと苦しくて、透さんの背中をトントンと叩いて訴えると、やっと唇が離れた。
「もっとケーキ食べる?」
ちょっとからかうような目で俺を見つめる透さん。その声にも笑いが含まれてる。
「と、透さん、俺、ケーキはもう……」
――それよりも……もう俺……。
「……我慢できないよ」
透さんの首に腕を絡めて引き寄せて、俺の方からキスを仕掛ける。ぎゅっと身体を密着させて、さっきからズボンの下で主張してる部分を透さんの腰にわざと擦りつけた。
唇を重ねながら、透さんのクスっと笑う声が吐息と共に零れる。
俺の背中を抱きしめている手が下へと降りて、硬く主張している部分を指で柔らかく撫でる。
「……と、おるさっ」
早く直接的な刺激が欲しいのに、透さんの指は焦らすように動いていて、俺は堪らずに腰を揺らしてしまう。
「エロいね。直くんは」
耳殻を熱い舌先で撫でながら、透さんは笑いを含んだ声で囁いた。
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