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『来年も再来年も、ずっと……』(13)
「だって……」
さっきから何度も蕩けるようなキスを繰り返しされて、上半身だけ脱がされて、ジーンズの下は、こんなに硬くなってるし。ここまで煽られて、これ以上焦らされたら、俺、どうにかなってしまいそうなんだけど!
もう当然、そろそろ寝室に行こうかって、言ってくれると思ってた。
なのに——
「でも俺は、もう少しケーキ食べたいな」
って、透さんはまたケーキに手を伸ばす。
「えー?」
思わず抗議の声を上げる俺に、透さんはチラリと思わせぶりな流し目をくれながら、ケーキに伸ばした指先でたっぷりと生クリームを掬い取った。
「透さん、俺もうケーキはいらないって……」
口元に運ばれる前に断れば、透さんは悪戯っぽく口角を上げる。
「うん、分かってる。これは俺が食べる分」
笑いを含んだ声が返ってきた途端、その生クリームを乳首に擦り付けられた。
「とっ、透さん!」
「ふふっ……イチゴケーキみたいだね」
真っ白い生クリームの下から、俺の尖った乳首の色が透けてて、めっちゃ恥ずかしいんだけど!
「い、イチゴケーキって! ちょっ……」
透さんは、少し屈んで上目遣いに視線を合わせながら、胸に付いてる生クリームに舌を伸ばして舐めとっていく。
その表情が壮絶に色っぽくて、舐めとってる舌がすげえ卑猥で……。
「あっ……あんっ」
生クリームと一緒に乳首も舐められて、時々ジュッて音を立たせながら吸い上げられて、思わず女の子みたいな声が出てしまった。
「そんなに感じた?」
胸の尖りの先端に唇が掠めるくらいの位置で、笑いを含んだ瞳でそう訊かれて、ありえないくらいに顔が熱くなる。
「じゃあ、こっちも」
そしてまたもや、生クリームをもう片方の乳首にたっぷりと塗られてしまう。
「あ……や……あぁっんっ」
なんか、ヌルヌルするような舌触りが、いつもと違って、き、気持ちいい! けど同時にすげぇ恥ずかしくて、でも気持ちよくて! 透さんの髪に指を差し入れて、思わず自分から頭を引き寄せてしまう。
生クリームを綺麗に舐めとった後も、そのまま胸の先端を舌で転がされて、甘噛みされて、吸い上げられて。
乳首を愛撫されてるだけなのに、甘い快感が身体中に侵食していって、なんかこのまま……い、イきそ……。
乳首だけでイきそうになるなんて!
——もっ、もう俺、ダメ……っ
って、訴えようとした瞬間、身体がふわりと宙に浮いた。
「そろそろ寝室に行く?」
透さんに抱き上げられて、情欲に濡れた瞳に見つめられて、待ち望んでいた言葉をやっと貰えた。
「い、イくっ……もう、イくっ」
熱に浮かされたように朦朧としながら答えた言葉は、後で思い出そうとしても、自分がなんて言ったのか全く覚えていなかった。
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