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 『来年も再来年も、ずっと……』(15)

 優しい顔して、あのいつもの甘い声で、結構ドSなこと言ってくる。 「イく時は一緒にイきたいしね?」  そう言いながら、透さんはまたツプッと二本の指を中に入れる。 「あっ、んんっ」  繊細な粘膜を撫でながら、中を広げるように蠢く指。なのに今度はあの感じる部分をなかなか触ってくれない。 「とお、るさんっ」 「ん?」  透さんは、愉しそうにニコッて笑うだけで、わざとだっていうのが見え見え。 「い、意地悪しないで……」  俺は思わず、透さんの指が前立腺に当たるように腰を揺らしてしまう。 「……やっぱりエロいね」  欲情の孕んだ瞳で見下ろされる。 「どうしてほしいの?」 「さ、触って……俺の気持ちいいとこ」  透さんを見上げて、ちょっと意識して甘えた声でお強請り。  だけど、また指を引き抜かれて、代わりに覆いかぶさるようにして唇をキスで塞がれた。 「ん、っ……ふ……」 「気持ちいいとこ触ったら、すぐにイっちゃうでしょ?」  透さんはキスの合間にそう言って、また角度を変えて唇を重ねて。  だけど、お互いの身体の間で、俺のと透さんの屹立が擦れ合ってて、もうそれだけでイきそうなんだけど! 「と、透さん、お願い。一緒にイきたいから、透さんの早く俺ん中に挿れて?」  もうたまんなくて、透さんの屹立を握り込み、渾身の上目遣い。――今度は上手くお強請りできたかな。  手の中の透さんのも、血管が浮き出て硬く膨れ上がっている。緩く手を上下させると、透さんは喉の奥で小さく声を漏らして、苦笑した。 「……俺のも、早く直が欲しくて、うずうずしてるよ」  熱い先端で後孔を何度かなぞり、押し当てられて、俺は透さんが入りやすいように自分から開いた足の膝裏を両手で抱えた。  透さんは、狭い路を開くようにゆっくりと腰を進めてくる。  出逢ってから何度も透さんを受け入れたけど、こうしてゆっくりと身体の中に入ってくる感覚は、いつもゾクゾクとそこから全身へ甘い痺れが広がる。脈も呼吸も、お互いの身体が結びついた部分で共鳴しているみたい。  初めてのあの夜は、絶対無理だと思ったし、あんなに怖くて苦しかったのに。  セックスが、こんなに親密なものだとは、あの頃は分からなかったし、二年後のクリスマスイブも、こうして二人で過ごすことになるなんて思ってもいなかったな。

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