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6 幸せになるまであと358日-1。

『あけましておめでとう!!!』 『おめでとうございます。』 人が溢れ返る中カウントダウンののちに発した言葉。 たぶん本当の恋人同士もこうやって一番に新年の挨拶をするのだろう。 疑似恋愛ごっこは一年。 クリスマスがスタートだから、来年の今頃はこうして一緒にいることはない。 意外に楽しかった二人の時間。 少し寂しいな…なんて思っている自分がいて… って、俺は至ってノーマルだ。 何度も自分に言い聞かせた。 『旅館戻る?』 『そうですね。ちょっと眠いかも。』 参拝も終わり、旅館へと戻る。 今日は泊まる予定で一日部屋を抑えてあるのでゆっくりできそうだ。 部屋に着き、違和感を感じた。 あれ? そう言えば荷物置いた時はなんとも思わなかったけど、これって同室? 『西野さん、俺たちって同室ですか?』 『当たり前だろう?恋人同士なんだし。』 『疑似ですけどね。』 『まぁ疑似でもなんでも恋人同士なら同室が普通だろう?』 『まぁ…そうですけど。』 『今からどうする?』 『ちょっと寝たいです…』 『そうか…今までの俺ならここでヤッちゃうんだけど…』 『やっちゃうって?』 『セックス。』 ブフォー!!! 飲んでいたお茶を吹いてしまった。 『いや、それ間違ってますよね?』 『なんで?』 『いくらなんでも早すぎでしょ?そりゃ成り行きとか、雰囲気とかあると思いますけど…』 『そうかなぁ?』 『いや、そうでしょ。もっとこう順序踏んで行ってみてはどうですか?』 『そうだな…じゃぁどうしよう?』 『どうしようって…じゃぁ…一緒に寝ますか…?』 と、なんであんなこと言ったかなぁ? 俺完全にアホだわ。 しかも一枚の布団って狭いし近いし… 後ろから聞こえる西野さんの寝息。 簡単に寝ちゃえるとこ見るとこの人はやっぱり慣れてるのか。 俺はというと… 変に意識して、寝たいのに寝れない。 クソ眠いのに寝れない。 寝たいのに寝たいのに寝たいのに…… あぁぁぁぁぁぁ!!! 寝返りを打つにも打てないこの状況。 どうしようか… そう思いながら俺は無理矢理目を瞑った。

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