ゴールデンウイーク。 前の旅行はあまりにも弾丸で、そこを注意すると、次は計画を一緒に立てようと言われたこともあって、今回は一から二人で計画を練り、京都に行くことになった。 って… 何回旅行に行くんだろう…？ 疑似恋愛ごっこなのに。 俺、今までの彼女ともこんなに旅行に行ったことねぇんだけど… ほんとに西野さんはマメというかなんというか…。 メールや電話を毎日欠かすことなくくれる。 デートだっていつにするか、どこにするか…プランもちゃんと考えてくれるので俺は正直驚いている。 手遅れになる前に…いや、もうなってるかもしれないけど、もっと酷くなる前にこの疑似恋愛ごっこをやめたい。 こんなに完璧なら俺が教えることなんて何一つないだろう？と思うのに、「やめましょう」と言えない自分がいる。 俺ほんとマズイよ… 電車の中、隣で俺にもたれ掛かりながら眠る西野さんを見て溜息をつく。 この人はどう思っているんだろうか？ 俺は、自分の気持ちに気付かないフリをしている。 正直、西野さんを想像してヌケた…なんてことは内緒。 興味半分でやってみたら見事成功してしまったとでも言っておこうか… クリスマスを迎えると同時に終わるこの疑似恋愛ごっこ。 それが終わるまで彼女を作るのは禁止。 それを真面目に守ってる俺も俺だよなぁ… 京都に到着したアナウンスが聞こえ、隣で眠る西野さんを起こしたのだった。