28 / 68

28 幸せになるまであと182日-3。

『だから違いますって…浮気しませんよ。』 『本当かぁ?じゃぁそれ何?』 うっ… もうここまで来ると渡すしかないよな? 神様、どうか気持ち悪がられませんように… 『これは…その…西野さんに…』 『えっ!?俺!?てっきり天野が誰かからもらった物なのかと…』 『あっ…じゃぁそういうことにしときましょうか。』 そう言って俺はカバンにソレをしまおうとした。 『待て待て。俺にくれんだろ?』 『そうですけど…』 そう言いながら渋々西野さんにソレを渡した。 『開けていい?』 『はい…』 ガサゴソと袋を開けて覗き込む西野さん。 俺はドキドキしながらその姿を見守る。 『クマ?』 『クマです。』 『うわー、ブサイク〜。』 『そこが気に入ったんですけど…』 『うん。可愛い。』 『えっ!?』 『俺、結構クマ好きだよ?』 『意外…』 『よく言われる。ってか、これ本当に俺に?』 『はい…ダメでした…?』 『ダメじゃない。嬉しい。ありがとう。』 その時向けられた笑顔に完全に心を持って行かれた俺は、居ても立ってもいられなくて机に突っ伏した。 『天野!?』 『そんな…可愛い顔で笑わないで下さい…』 突っ伏しながら言うとハハハと西野さんが笑った。 『可愛いのはどっちだよ。』 可愛い? 顔が上げられない… 頭の中で回る可愛いという言葉にドキドキと高鳴る心臓。 俺、可愛いのか? あぁぁぁぁぁ、もうこの際だから言ってもいいか?なんて思いながら自分のクマをカバンから出す。 『じ…実は、お揃いなんですけど…』 『やっぱ可愛い。』 そう言われ、ボンッと音を立てて俺の頭から湯気が出たのがわかった。

ともだちにシェアしよう!