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40 幸せになるまであと85日-4。

『お前ってさぁ…』 『なんですか…?』 『ほんと可愛いよな。』 俺、ノックアウト。 こんなの絶対一緒に寝れるわけがない。 無意識にそういうこと言ってんのかなぁ? こうやって色々な人を落としてきたのかと思うと、やはりこの人は恋愛マスターだ。 完全に俺、振り回されてるよな… 『西野さんって誰にでもそんなこと言ってるんですか?』 『いや、天野だけ。』 『…』 俺ぜってぇ顔赤い… 『お、おやすみなさい!!』 床に寝転び頭から毛布をかぶるとギュッと目を瞑った。 『おやすみ。』 そう言いながら西野さんが毛布の上から俺の頭を撫で、離れて行った。 毛布の中でドキドキとうるさい心臓。 目を瞑っているせいで、瞼の裏側まで震えているのがわかる。 しばらくして目を開け、毛布から顔を出すと部屋の電気は消えており、西野さんの姿はなかった。 なんで疑似恋愛ごっこなんて引き受けちゃったんだろう… なんだか…辛い。 変に眠れなくなり真っ暗な部屋の中、時間だけが過ぎて行く。 携帯を見る気にもなれず、さっきの西野さんとの会話が頭の中を回る。 何分経っただろうか…? ガチャ 扉の開く音がして咄嗟に寝たフリをしてしまった。 目を瞑りながら耳を澄ませる。 冷蔵庫が開く音がして、何かを飲む音。 水か? 西野さん喉渇いたのかな? そんなことを考えていると、足音が近付いてきた。 えっ!?なに!? そう思うけど、寝たフリをしてしまっているものだから目を開けるわけにもいかず寝たフリを続ける。 毛布を捲り、隣に滑り込むように入ってくる西野さん。 何してんの? ドキドキとうるさい自分の心臓に、黙るように心の中で言い聞かせる。 サラリと髪を撫でられギュッと目を閉じる力を強める。 チュッ… えっ? 優しく唇に触れた感触に動揺が隠せない。 キス? 目を開けるわけにもいかず、そのままずっと動けないでいる。 しばらくすると隣から聞こえてくる寝息。 待て待て待て。 今のは間違いだろ? 寝呆けてたって可能性もあるよな? 薄っすらと目を開くと隣には可愛い顔をして眠る西野さん。 なんで? そんなに一緒に寝たかったのか? なんなんだよ… 俺をどうしたいんだよ… 結局俺は、朝まで眠れないでいた。

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