41 / 68

41 幸せになるまであと84日-1。

『はよ。』 『おはよう…ございます。』 なんだろう…気まずい。 そして眠い… 寝ることができず、リビングで眠る西野さんを見ながら朝を迎えた。 西野さんがなぜリビングで寝ていたのか?なんてことは、あえて聞かないでおこう。 この前のキスはお互いに意識があるうちのことだったので、気まずかったがそれなりに回避できた。 ただ今回は、俺は寝たフリをしていたわけだから、もちろん知らないフリをしないといけないわけで… そして西野さんももしかすると寝呆けていただけで、全く覚えていないかもしれない。 あぁ…厄介だ。 西野さんの唇を見ては思い出す俺。 もうダメだ。 なんか話… 『会議何時からですか?』 『9時。』 『じゃぁそれまでどうしますか?部屋使ってます?』 『いいの?』 『また鍵は会社で渡してくれればいいですし。ただしコソッとでお願いします。』 『了解。』 どことなく嬉しそうな西野さんが、ポンッと俺の頭を叩くように撫でた。 だから… それしないでくれよ… 意識してしまって、触れられた部分が熱い。 朝ご飯を食べ、身仕度をし、玄関に向かう。 『じゃぁお願いしますね。いってきます。』 『いってらっしゃい。』 扉を開けると西野さんが俺の腕を掴んだ。 『忘れ物!!』 そう言いながらおでこにチュッとキスをされた。 『なっ!!!』 『いってらっしゃいのチュウ。』 ニヤリと笑う西野さんに睨みをきかせながら慌てて玄関を出た。 バクバクとうるさい心臓を押さえながら、そっとおでこに触れる。 これ以上俺を夢中にさせるな…

ともだちにシェアしよう!