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42 幸せになるまであと84日-2。
会社に着き、しばらくすると朝礼が始まった。
もう西野さん家出たかな…?
戸締りをお願いするなんて恋人っぽいな…なんて。
こういうことでちょっとぐらいはしゃいでもバチは当たんねぇよな?
ってか、恋人同士なんだし(疑似だけど…)鍵渡しといた方がいいのかな?
今日みたいに朝一会議とかなら鍵持ってる方が便利だよな?
予備の鍵もう一つあったハズだし…
そんなことを考えていると朝礼が終わった。
今日は何件だ?
と、アポの確認をして持って行く資料を揃える。
『天野さん!!』
『ん?』
山崎に呼ばれ作業をしながら返事をした。
『彼氏、来てますよ?』
山崎の一言に焦ってバッと顔を上げると入口のところに西野さんが立っていた。
慌てて駆け寄ると鍵を渡される。
『コソッとって言ったのに、何堂々と渡してんですか!!』
少し小声でそう言うと、西野さんが言う。
『えっ?なんかみんなに見せつけたくて。』
『何言ってんすか!!ちょっと来てください!!』
なんだか周りの目が気になり、西野さんの背中を押しながら休憩所へと連れて行った。
『冗談でもああいうこと言うのやめてくださいよ!!』
『冗談じゃねぇし。』
『…』
なんだよこの人。
何が本気で何が冗談か全くわからない。
『あっ…そうだ。さっきみたいなこともあるし、またあんな風にみんなに見られると気まずいんで…』
『ん?』
『合鍵…持ちますか?』
言ってしまった。
思っていた以上に恥ずかしい一言に、自分で赤面する。
『マジ?いいの?』
『どうぞ。もう一つ予備あるんで。ただ今日は家にあるのでまた今度渡します。』
『サンキュー!!嬉しい。』
俺に向けられた笑顔にキュンとなるが、騙されてなるものか!!と気を引き締める。
『昨日みたいにうちをホテル代わりに使ってくれてもいいですし。こっちで会議とかあるときはどうぞ使ってください。』
『会議ないとダメなの?』
『えっ?』
『天野に会いたいな〜って思った時に使うのはダメ?』
くっそ…コノヤロー。
可愛い…可愛すぎてもう…
俺死ぬかも。
キュン死に…ってやつかな…?
『ダ…ダメです…』
『えぇ!?ダメなのかよ?まぁ鍵さえもらえればこっちのもんだからな。』
そう言って西野さんは笑っている。
俺の心は持って行かれまくり。
一体どこまで持って行かれてしまうのか…
結局その日、会議が長引いた西野さんをもう一日家に泊め、合鍵を渡したのだった。
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