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47 幸せになるまであと63日-5。

『…野!!天野!!』 『ん…?うわぁ!!』 『うわぁって失礼だろ。ベッドまで運んでやったのに。』 『あっ…すみません…』 確かにここはベッドの上。 俺は風呂に入ってて、浴槽から出れなくて… って…うわ…最悪。 自分を見ると、パンツとスウェットだけ穿かされていて、上半身は裸だった。 『あの…見ました?』 『何を?』 『何って…その…チン…』 『そりゃ見るだろ。パンツ穿かしてんだし。ってか、男同士だしなんてことないだろ?』 そりゃそうだけど… 俺のジュニアは一体どうなっていましたか? なんて聞けるわけもなく、モヤモヤと恥ずかしさだけが残る。 『あ…ありがとうございました。』 『どういたしまして。』 クシャっと俺の髪を撫でると西野さんは寝室を出て行こうとする。 『ど、どこ行くんですか!?』 『どこって、リビング。今日は俺があっちで寝るからお前ベッド使えよ。』 『あの…!!』 『ん?』 『一緒に…寝ますか?』 またしても言ってしまった。 だけど、なんだか傍にいたくて… すると西野さんがフッと笑った。 『水だけ飲んで来るから待ってて。』 そう言うと西野さんは寝室を出て行った。 俺、なんであんなこと言ったんだろ? こんなこといつかもあった気が… やっぱりシングルに男二人はキツイ。 『天野…まだ起きてる?』 『起きてますけど…』 西野さんに背を向けるようにして返事をする。 目の前は壁だ。 なんで俺、奥を陣取ってしまったのだろう… 逃げれん…。 『さっきの続き。』 『はぁ?』 『付き合いの話。』 『あぁ…』 『付き合ってるときってさぁ、天野は甘える派?甘えてもらう派?』 『あ…どっちでしょう?どっちも?ですかね?甘えたい時もあるし、甘えられたい時もあるし。』 『俺と一緒だ。』 『西野さんもですか?』 『うん。俺ら気合うかもな。』 『…それは…どうでしょう…』 バクバクとうるさい心臓に黙れと喝を入れる。 『キスは…する派?される派?』 『そ…それもどっちも。』 『じゃぁ…セックスは…?』 おいおい。 内容がどんどんハードになってる気が… 『それは…内緒で…』 『なんだそれ。』 『もういいじゃないですか。恥ずかしいんでやめましょう。』 そう言うと俺は頭から布団をかぶった。 『もう寝んの?』 『寝ます。』 『そっか。おやすみ。』 少し寂しそうに聞こえた西野さんの声。 そんな声出すな。 どこまで本気になっていいものか… 自分にストップがかけられなくなる。 このままここで俺が何かしらのアクションを起こしてしまったらどうするんだろう? あと60日近く残った疑似恋愛ごっこはこの場で終わりかな… そんなの嫌だ。 もう少しだけ…俺のこの幸せな時間を奪わないでほしい。 そして、俺は眠りについた。

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