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48 幸せになるまであと62日-1。
あれ?
目を覚ますと隣に西野さんの姿はなかった。
寝室を出てリビングに向かう。
『おはよ。』
『あ…おはようございます。早いですね。』
『なんか眠れなくて…』
『あっ…すみません!!俺、イビキうるさかったとか!?もしかしかて寝相悪かった!?』
『違う。ちょっと色々あってな…』
『なんですか?』
『内緒。』
『はぁ?』
『昨日のお前の真似。』
そう言って西野さんが笑っている。
『朝ご飯、パンとコーヒーでいいですか?』
『おう。』
パンをトースターにセットして、コーヒーを淹れる。
本当に付き合ってるみたいだ。
『今日どうすんの?本当に片付ける?って言っても部屋綺麗じゃん。』
『うっ…』
昨日は売り言葉に買い言葉?的な感じでデートを断る理由を掃除にしてしまったわけだけど…
確かに西野さんの言う通り部屋は片付けるほど散らかってはいない。
『どっか行く?』
『どっかって?』
『散歩?』
『散歩…』
『なぁ、弁当作ろっか。』
『弁当!?』
『うわ…こういうのいいじゃん!!よし、作ろ!!!』
昨日西野さんが晩ご飯の材料を買う時に、他の食材も色々買ってくれたようで、冷蔵庫の中は充実していた。
『食パンあるからサンドウィッチできるし、あとはおにぎりと、適当にウインナー焼いて簡単にあるものでおかず作るか。』
えらい張り切ってんなー。
なんて思いながら西野さんを見るが、なんだか楽しそうでこっちまで笑顔になる。
『じゃぁ、俺おにぎり握りますね。』
そう言って俺も弁当作りに参加した。
トーストしたパンは手が空かないという西野さんの口に声をかけられる度に放り込み、またしても「アーン」を体験してしまった。
そして今回は俺も…おにぎりを握りながら西野さんにパンを放り込んでもらい、お互いにアーン…。
こんなことで喜んでる俺ってほんとガキだなぁ…と。
33のオッサンが何に浮かれてるんだか。
でもこの時間が本当に楽しくて…
ずっと続けばいいなと思った。
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