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49 幸せになるまであと62日-2。
『よし、ここでいいか。』
『結構歩きましたね。』
普段外回りをしている分歩くことには抵抗がなかったが、今日は結構歩いた方だと思う。
二人でベンチに座り弁当を広げた。
周りから見たら俺らってどう見られてんのかなー?
明らかにゲイカップルだよな…
そんな俺の心配をよそに、西野さんはすごく楽しそうだ。
『天野、食わねぇの?』
『いや、食べますよ。』
おにぎりを手に取りかぶりついた。
『西野さん…』
『ん?』
『恥ずかしくないんですか?』
『何が?』
『何がって…男二人でこういうこと…』
『なんで?恋人同士だったらデートの一つや二つ普通にするだろ?』
『そ、そうですけど…男同士だし…』
『お前なぁ、それは偏見だぞ。たまたま好きになったのが男だった。とか、性の対象は同性しか無理だ。とか、みんなそれぞれ色々あるんだよ。』
確かに…
確かにそうだ。
俺も…好きになったのがたまたま男だった…っていう類に分類されるのかな?
『西野さんは…』
『俺はさ、両方いけるから。』
やっぱり噂は本当なのか…
バイだという事実を知り、少し戸惑った。
俺のライバルは男も女も両方か…って。
ふざけてる。
そんな考えに行き着く自分がふざけ過ぎてて笑える。
本当に自分は西野さんのことが好きなのだな…と。
どうすることもできない気持ちに胸が締め付けられる。
『天野?俺、なんか変なこと言っちゃったかな?』
『いやいや、違いますよ!!!勝手に考え事しちゃっただけですから!!!』
そう言って、持っていたおにぎりを頬張った。
『西野さん、今日どうするんですか?』
『あぁ…夕方の新幹線で帰るわ。明日予定あるし。』
『そうですか…』
今日も一緒にいたい…なんて言えないのは疑似だから。
その日、本当に西野さんは夕方の新幹線で帰って行った。
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