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50 幸せになるまであと35日。
『もしもし?』
「あ、もしもし?天野?今ちょっといい?」
『はい。』
「あのな、12月25日なんだけど、無理そうだわ。」
『えぇっ!?なんでですか!?』
激しく動揺した俺は声を荒げる。
「いや、毎年の新人研修あっただろ?あれな、24日にする予定だったんだけど、一日ズレて25日にするみたいなんだよ。で、夜は懇親会だから会うのは無理だな…」
『そうですか…』
『悪いな!!じゃぁ…』
一気にやる気がなくなった。
25日は西野さんの誕生日だし、この日で疑似恋愛ごっこも終わりだから、最後ぐらいデートして…って思ってたのに。
そもそもなんでクリスマスに研修なんだよ。
上のお偉いさん方に殺意さえ湧く。
と、いうよりも…
西野さんの呆気ない言葉に傷ついた。
まぁ疑似恋愛ごっこだからな…
本気にした俺が悪いか。
これでわかった。
西野さんは俺のことをなんとも思っていないということだ。
でもよかったじゃん。
もっともっと深入りする前で…
そう思うのに、なんだか鼻がツンとして、目頭が熱くて…
俺、泣いてる?
目元を拭うと手が濡れた。
柄にもなく何泣いてんだよ。
アホか。
その日、仕事も手に付かなくてアポが終わり次第片付けもせずに家に帰ると、酒を飲みまくったのだった。
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