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55 幸せになる日-1。

『ねむ…』 大きなあくびをしながらトーストをかじる。 昨日は全然眠れなかった。 西野さんとのメールを1から読み返し、あんなこともあったな、こんなこともあったな…と思い出に耽った。 それがこんなにも自分を辛くさせるものだとは思わなかった… 『めっちゃ泣きたいかも。』 ボソリと呟いた自分の一言にも涙が出そうになる。 俺、どんだけ西野さんのこと好きなんだよ。 頭を左右に振りながら頭の中に浮かんでいた色々なことを振り払い、仕事モードへと切り替える。 コーヒーを飲み干すと、身支度を整えて家を出た。 『おはようございます。』 『おはよう。』 新人君に挨拶をすると、ホームを歩き出す。 『どうして天野さんなんですか?』 『はぁ?』 『いや、嫌だとかそんなんじゃないですよ!!!なんか天野さんが自ら手を挙げるのは珍しい…て、みんなが噂してたんで…。』 『あぁ…そういうことか。初心に戻りたかったんだよ。何もかもリセットしようと思って。』 リセットの部分がイマイチわからなかったのか、新人君は首を傾げていた。 『早く行くぞ。』 そう言いながら新幹線に乗り込んだ。

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