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59 幸せになる日-5。

『大丈夫か?』 新人君をひとまずベッドに寝かせ、声をかける。 『はい…ありがとうございました。』 『スーツ脱いどけ。シワになるぞ。』 そう言うと新人君がモゾモゾと起き上がり、スーツのジャケットを脱ぎ始めた。 『はい、ちょうだい。掛けとくから。』 申し訳なさそうに俺にジャケットを渡すと新人君は寝転んだ。 『お前、ほんと大丈夫?まだ吐きそう?』 『少しだけ…』 『じゃぁビニール袋準備しといてやるよ。』 そう言いながら新人君の部屋を出た。 フロントでビニール袋をもらい、水もいるか?なんて思いながら自販機に寄り、新人君の部屋に向かう。 部屋に入るとスヤスヤと眠る新人君。 なんだよ、寝てんのかよ。 枕元にビニール袋と水を置く。 その隣にメモを残し、俺は部屋を出た。 やれやれ…と思いながらなんとなく時計を見て驚いた。 『じゅ、十一時!?』 慌ててホテルを飛び出す。 今日の俺の予定は、懇親会終わりにケーキを買いに行って、自分の部屋で西野さんをお祝いするつもりだった。 携帯を見ると西野さんから連絡は来ていなかった。 きっともう懇親会は終わっているだろうから連絡きてもよさそうなんだけど… もう家帰っちゃったとか!? そんな事を心配しながらコンビニに駆け込んだ。 しょぼいケーキしか見当たらず、仕方なくそのケーキとロウソクを握りしめてレジに急ぐ。 時計を見ると23時20分。 マズイよ… 25日が終わっちゃう。 どうしても会って「おめでとう」と言いたかったがために、今日はメールでも電話でも一切「おめでとう」と言っていない。 急げ… 俺はホテルへとダッシュで戻った。

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