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って…
寝れるわけねぇ!!!
酒が入ってるわけでもないし、ましてや隣に西野さんがいて「はい、おやすみなさい」で寝れるわけねぇだろ!!
あれから何分経ったのかわからない。
西野さんはもう寝てしまったのだろうか?
というか、俺は西野さんに背を向けているため、現在どういう状況なのかもわからない。
ドキドキとうるさく鳴り響いて、いつまでも鳴り止まない心臓に手をあてる。
本当、うるさい…
部屋も静まり返っているせいで西野さんに聞こえてしまっているのではないかと心配する。
ってか、寝てるよな…
聞こえてるわけねぇや。
緊張したせいで喉が渇き、水でも飲もうかと起き上がる。
仰向けで寝ている西野さんを見てなんだかドキッとした。
目を閉じたその顔は、綺麗に整っていて…
この目も鼻も唇も…
全ては俺のもの。
そう思うといてもたってもいられなくて、軽く閉ざされた唇にそっと触れた。
『えぇっ!?』
その瞬間、寝ていたはずの西野さんの目は開き、俺の手をガシッと掴んだ。
『ちょっ…!!』
『誘ってんの?』
『いや、その…これは…』
言い訳する間に掴まれた手をグイッと引かれ、あっという間に組み敷かれてしまった。
『なっ…!!ってか、起きてたんですか!?』
『お前が隣にいて眠れるわけねぇだろ。』
『は?ゎ…んん……』
唇を塞がれ驚きのあまり目を見開いたが、そっと目を閉じた。
口内へと強引に差し込まれた西野さんの舌に俺の舌は絡め取られ、キツく吸われる。
『ん…ふぅ…』
驚きながらも心のどこかで待っていたキスに体が熱くなり始めた。
何度も何度も角度を変え、奥へと差し込まれる舌に翻弄されながらも、俺の口内をいやらしく動き回る西野さんの舌の動きについて行く。
『ハァ…』
『…天野、好き。』
唇を離すと、西野さんは俺を見つめながら好きと呟き、俺の首筋に唇を押し当てた。
『あっ…』
『何?首、弱いの?』
『そんなの知らな…あっ…』
フッと笑いながらカプッと噛みつかれ、俺の全身は震えた。
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