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邂逅※

「それともこれからは……、この味が忘れられなくてみんなを誘っちゃうような、いやらしいヘッド様になっちゃうのかなァ……? 真宮ちゃんは」 「はぁ、はっ……、ち、がっ……、あ、あぁっ」 「お前は異常だよ……、真宮……。まともじゃない、アイツらとは違う……。よごれたお前が一緒にいていいわけがない、そうだろ……?」 「あっ、だ、まれっ……、あ、うっ……!」 拒んでも滑り込み、刷り込まれていく悪しきまじないが頭から離れず、狂おしいほどの快楽に蕩けさせられて我を見失っていき、もうわけが分からなくて恐ろしかった。 このまま自分は何処に溺れていくのか不明で、もう二度と浮かび上がれないような気がして怖くて、いっそ息の根を止めて楽にしてほしいという想いが過ってしまう。 だがそう簡単に楽にさせてはもらえず、熱を植え付けられながら言葉で切り裂かれ、否定しても本当に漸の言うような人間なのではないかと思えてきて酷く不安になってくる。 「お前はっ……、お、まえだけはっ……、はぁっ、あっ……、ぶ、っころして、やるっ……、ん、あぁっ……!」 涙で濡れた瞳を向け、息も絶え絶えに間近で笑みを浮かべている悪しき青年へと宣戦布告するも、奥を貫かれてすぐにも言葉を紡げなくさせられてしまう。 敏感な箇所を攻められて自身からはダラダラと白濁が溢れ、幾度も気持ちを裏切って果てたい欲求を高めていく。 「どうぞ……? 俺と離れている間もそうやって、ずっと俺のことだけ考えてろよ……」 「あっ、や、めっ……、あ、あっ……! はあ、んんっ……」 「潰したいんだろ? いつでも来いよ……、遊んでやるから」 そう言って首筋へと唇を触れさせ、どっと押し寄せてくる抗い難い快楽の波に浚われて、いやだと咄嗟に逃れようとしても無駄であり、子供が駄々をこねるようにいやいやと頭を振っているしかなかった。 次第に打ち付けが激しさを増していき、すでに高ぶっている自身へと指を這わされて扱かれると、止められるわけもない声により煽られ、屈したくないのに悔しいのに気持ち良くて仕方がなくて今にも達してしまいそうであった。 でも許せない心が最後まで立ちはだかって辛く、苦しくてどうにかなってしまいそうで、無意識に縋るものを求めて漸の腕を掴んでしまう。 気付いた漸が不意に柔らかな笑みを浮かべるも、視線を背けて押し寄せる甘く激しい淫らな誘惑に振り回されてそれどころではなく、彼の様子など窺っている余裕なんてとうにない。 声がより一層甘ったるくなったことから目を背け、全てから逃れたくなっても彼が許してくれるわけもなく、繋がりを深くして奥へ奥へと貫いてくる。 「あっ……! い、やだ……、やっ……、ぜ、んっ……」 「ダメ……。俺のこと理解してくれるんだろう……?」 「はっ、あぁっ、んっ……!」 「逃げずにちゃんと向き合ってね……、真宮」 柔らかに紡がれていく言葉を聞いていても、もう答えることも、何を言っていいのかすら考えられないくらいに掻き乱され、形をなさない声ばかりが快感を煽って吐き出されていく。 触れるだけの口付けをされ、再び自身へと指を絡ませて強く扱き上げていき、それと共にいいところばかりを狙って貫かれては為す術などなく喘ぎ続け、憎い相手であるはずなのに縋っては名を呼んでしまう。 何処に叩き落とされるのか分からず不安で消えてしまいそうで、温もりを感じて安心したかったのだろうか、自身から離れて身体を寄せてきた漸の背へとあろうことか腕を回してしまう。 今だけは何も考えられず、執拗な攻めに我を忘れて感じ入り、終わりなどないかのように鳴かされ続けていく。 「あ、あぁっ、もっ……、ぜ、んっ……、や、めっ、あっ……!」 「なに……? 此処にいるだろ」 ぐちぐちと繋がり合うそこからは淫らな音で溢れ、妖しく彩られた一帯に充ちる雰囲気にも影響を受けて、喧嘩をしていた時のような鋭い眼光など微塵も宿らず、今では欲望に塗れて蕩けた目が熱っぽく潤んでいる。 わけも分からず呼び掛ければ、柔らかな声を返されて頬へと唇を触れさせる。 流されていく、踏みとどまりたいのに抗えずに足を滑らせ、彼の本心が何処に埋もれているのかも分からないままにただ翻弄されて、これ以上ないくらい無様な醜態を晒して憎い相手の元に堕ちていく。 それなのに縋り付いて、声を嗄らして感じ入り、果てしなき欲望を高ぶらせてしとどに蜜を溢れさせ、甘い快感の波がぞくぞくと押し寄せてきて今だけは何もかもがどうでもよくなってくる。 「あっ、あぁっ、はっ……! やっ、……あっ、も、うっ……ん」 「いっちゃいそう……? いいよ」 「あぁっ……、あっ、はぁ、んっ……! は、あ、ああっ……!」 身体を重ね、互いの温もりを感じ合いながら繋がりを深め、ぐちぐちと幾度となく貫かれてやがて言い様のない感覚が一気に駈け上がっていき、甘く溶けてしまいそうな痺れが押し寄せてくる。 一際鼻にかかった淫らな喘ぎと共に、またしても達してしまった自身からは白濁が散らされていき、身体をよごして情事の証を刻み付けていく。 「あっ……、はぁっ……」 自然と身体が余韻に浸り、力無く漸の背から下ろされた腕が敷布へと着地し、当てもなく何処かをぼんやりと見つめながら吐息が漏れる。 そうしている間にも、勢いは衰えながらも欲深き白濁はなかなか絶えずに溢れ続け、余程気持ちが良かったというのか此の身をこれでもかというくらいによごしている。 けれども今の自分にはもう、為す術なんて何も無かった。

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