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Tritoma※

力ずくで組み敷かれ、ずぶずぶと狂おしい程の熱量が収められていき、真っ当なものの考えなんて最早必要もなければ、一息で理性などという邪魔な存在が消失していく。 一杯に拡げ、食らい付いて離さずに奥へと誘い込み、ゆっくりと彼の存在が押し進められている。 敏感なヶ所を擦られ、先程までとは比べ物にならない悦楽に酔いしれ、きつく圧迫されながらもナキツは腰を進めていく。 あまりの悦びに涙が止まらず、泣いているかのように頭を振っては喘ぎ、鳴かされ過ぎて掠れた声が室内へと響いている。 優しくて意地悪な彼に振り回され、普段からは考えられないような甘えた口調を発しても、一つも気にならないくらい執拗な快楽に溺れきってしまっている。 「あっ、あぁっ、ん、んっ……!」 「真宮さん……、可愛い……。好きです……。もっとえっちな声沢山聞かせて下さい……」 「ん、んっ、あ、はぁっ……、あぁっ!」 ズズと強く擦られながら前進し、その度に得も言われぬ快感が押し寄せてきて、自然と淫らに足を開いて腰をくねらせる。 首筋を晒して快楽に仰け反れば、熱い舌に舐められてびくりと身体が反応し、感じ入る声が躊躇いもなく溢れ出す。 軽く歯を立てて食まれ、舌を差し出されて舐め上げられ、ただでさえ感じやすい首筋をいじめられて悩ましい声が止まらない。 快楽に浚われて力が抜け、そうしている間に貫きを深くしていた猛りにより、奥を擦られて滲み出る白濁の量が増す。 「あっ、はあ、いいっ……、もっと、もっと……」 「何にもしていないのに、此処から溢れて止まらないですね」 「ん、うっ……、はぁっ、き、もちいい、からっ……」 「はしたなく溢してしまう程、そんなにいいんですか……? 前も後ろも気持ち良くて仕方がないんですね」 「あ、あぁっ、は、んっ……、やっ、止まらなっ……、んっ」 直に触れられていなくても、我を見失う程の熱に穿たれている今となっては、貫かれる悦びだけで自身から涎が垂れていく。 歓喜に満ち足りて滲み出し、止まる気配も無くとろとろと欲深な汁が溢れていき、より一層淫らに自身をけがして伝い落ちている。 口元に手を当て、はあと熱っぽく乱れる吐息を漏らし、目蓋を下ろして凶悪なまでの悦楽に沈み込む。 すると自身へと指を這わせられ、くちゅりと音を立てながら白濁に塗れて上下し、緩やかに扱かれていやらしい蜜が尚も噴出する。 「痛くないですか……? 辛くはないですか?」 込み上げる快感に喘いでいると、不意に優しく髪を撫でられたことに気が付き、気に掛けている様子のナキツに見下ろされている。 情欲を孕みながらも心配そうな眼差しを注がれており、いつも見慣れているナキツが其処にはいる。 ここまできて今更な気もするけれど、身を案じられてなんだかくすぐったく、優遇されて機嫌を損ねるはずもない。 「あっ、痛っ……、ん」 「すみません……。苦しいですか」 「ふっ……、うそ……」 「え……?」 「ん、気持ちいい……。はぁっ、ん、痛く、ない……」 今に到るまでずっと翻弄されていたので、ささやかな仕返しとばかりに痛がってみせると、容易く信じたナキツが心配そうに見つめてくる。 多少の罪悪感はあれど、簡単に騙されて気を遣ってくれているナキツを見て、悪戯な笑みを浮かべて真実を吐露する。 一瞬何の事か分からなかったのか動きを止め、数秒後に冗談であったのだと気付いたらしいナキツが、責めるような視線を注いで拗ねているようにも見える。 「もう……、心配したのに……。こんな時にそんな冗談言うなんて、人が悪いです……」 「はぁ、んっ……、悪かっ、た……、あっ、ん」 「俺を騙すなんて、悪い人ですね……。まだ随分と余裕がありそうですし、物足りなさそうです」 「あっ、ナキツ……、んっ」 「そんな声で呼んでも、許してなんてあげませんよ。そんなにいじめられたいなら……、望む通りにしてあげます」 「あっ、あぁっ、んっ……、ナキ、ツっ……、あっ、やめ、……んっ!」 それまで動きを止めていた律動を始め、ぐちぐちと絡み付くような音を立てながら結合し、何度も貫かれて自然と声が漏れる。 ぶつかり合い、肌を叩く音と共に白濁が零れ、制止にも一切振り向かず貪欲に攻め立てられる。 段階を踏まず、唐突に激しい貫きを繰り返されてしまい、一気に跳ね上がる情欲にとろかされ、甘やかなる痺れに包まれていく。 「はぁ、あっ……、んっ! あっ、だ、めっ……、待って、それ、はぁっ、あっ……」 絶頂を間近に控え、今にも達してしまいそうなところへ追い込まれると、自身を根元からぐっと掴まれて欲望を吐き出せないよう阻まれてしまう。 「あ、あぁっ……、んっ、離し……、あぁっ! やめ、出せなっ……、はぁっ、あっ!」 容易く解き放てないよう封じられ、その上で先端をぐりぐりと一方の手で弄られてしまい、感じていながらも達せずに苦しさでぎゅっと敷布を掴んでしまう。 「あ……、うっ、ナキツ……、ナキツっ……」 「ダメですよ……。聞いてなんてあげません」 「んっ、はぁ、あっ、だめっ、許しっ……、あぁっ! や、めっ……、ぐりぐり、し、ないでっ……、ん、あぁっ」 「どうしても溢れてしまいますね。もっと出したいですか……?」 「あっ、ん、……ったい、出したいっ……、はぁっ、あっ……!」 達せぬよう押さえ込まれていても、先をぐりぐりと愛でられて白濁が僅かに滲み、どっと解き放ちたい欲求が果てなく膨れ上がっていく。 穏やかに語り掛けられるも、湛える雰囲気とは裏腹にたっぷりと苛められており、思い通りにさせてくれる気はないようである。 込み上げてくる衝動を察しながら、思うがままに出来ず焦れったくて、涙ながらに懇願するもなかなか許してはもらえない。 些細な悪戯の代償にしては重すぎるが、このようなことを強いられているというのに自身はより感じ入り、今か今かと解放される時を待ち焦がれている。 「はぁっ、あっ、んんっ、だ、め……、はぁっ、こわれるっ……」 変わらず自身は封じられ、先からナキツの手が退くと、代わりに再び内部を貫かれ始める。 どうしようもないくらい達したい欲望が募り、そんな中でぐちぐちと淫猥に腰を進められて辛く、苦しいはずなのに積み上がる快感には限界が無い。

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