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孤高のカタルシス※
「はぁっ、はぁ……」
口元へ手を添えるも、最早何の歯止めにもなってはおらず、頬を赤らめながら荒く息をついている。
上唇へと爪が当たり、指を咥えているような様は彼を幼く見せ、何も言えずに後ろを攻められている。
腰を押さえ、尻を突き出させて内部を行き来し、狂おしい程の快楽を堪えようとしている真宮には、きっと相当の負荷が掛かっているに違いない。
理性と、貪婪 な肉欲とのせめぎ合いに塗れ、すでに何も考えられなくなっているであろう彼からは、耐え難き劣情を孕んだ声が絶えず零れている。
涙で頬を濡らし、とうに許容範囲を超えている悦楽へと沈み込み、切なそうな表情を浮かべてはいながらも根本まで喰らい付き、呼応するように腰を揺らめかせて離そうとはしない。
「腰揺れてる。堪えようとしてるくせに、いいところに擦り付けようとしてくる。矛盾してるね、本当はどっちがいいの?」
「はぁっ、は……ん」
身体を重ね、耳元で語り掛けてから舌を差し入れると、唐突な刺激により一際甘ったるい声が漏れ、いちいち抵抗しようという気力はすでに失われている。
ただじっと、声を抑える事だけを機械的に遂行し、だらしなく開かれている唇から吐息が漏れていく。
胸元まで黒地のシャツを捲り上げられ、ぷくりと起立している飾りを捏ね回せば直ぐ様反応し、舌を見せながら唾液を垂らして悩ましく息づいている。
指で挟んだり、摘まんだりして情欲を煽り、その度にきゅうきゅうと応えるように内部が収縮し、もっと苛めて欲しいと腰を押し付けてくる。
「あのガキも、すっかりお前に心を奪われている様子だね。全幅の信頼を寄せられて、お前は何をしてるんだろう。でも仕方ないよな、気持ちいいんだもんな……?」
「はぁ、はっ……、う」
「今更もう手放せない。とっくにまともじゃいられない。元から素質があったんだなァ、お前が人を束ねるなんてもう無理だろ……? やめちゃえば」
「あっ、ぅ……、ふっ」
「なァ、お前はどう思うんだよ。自分が本当にふさわしいとでも思ってるのか」
「はぁ、はっ……、ん」
「思っているならもう少し抗えよ。これくらいなんでもないはずだろ? それともお前はやっぱり、めちゃくちゃにされるのが大好きな淫乱なの……?」
快楽に塗れてまっさらな脳裏へといつまでも突き刺さるように、静かに話し掛けながら腰を引き、先だけを残してずるりと抜いていくと、彼が吐息を漏らしながら異変に気付いて怖々と振り向いてくる。
微笑を湛えて応え、次いで一気に深々と突き入れれば彼の表情が変わり、足を震わせてやっとの思いで立っている。
「んんっ……!」
堪えきれずに声が漏れ、そんな事には構わずに自身をうずめていき、ぐちぐちと攻められて彼が悦びの涙を溢す。
いやだ、耐えられない、声が出ると、様々な想いを混ぜた表情で首を横に振り、唇を震わせながら視線を寄越してくるも聞き入れず、果ては彼の自身へと手を差し伸べる。
「ん? 何か音した?」
「当たり前に先客が居たようッスね。うるさくしちゃって申し訳ないッス~! ほら灰我ちん、早く行くよ! 終わっちゃうじゃん!」
「う、うん。でも何か声がしたような……」
「声なら一杯してるって! ていうかメンバー紹介始まってるって! 一番の笑いどころじゃん、行くよ!」
「あ、待ってよ~!」
先走りを垂らしている自身を掴み、手荒く擦ってやるととうとう堪えきれずに嬌声が溢れ、体勢を崩しそうになった足が仕切りへと当たる。
物音に気が付いて、灰我が奥へと視線を向けている間も執拗に攻め立て、このような状況だからこそとぷとぷと滲んでやまない欲を指に絡め、奥を貫きながら彼が彼でなくなるくらい滅茶苦茶に壊していく。
必死に耐え忍んでいる姿は熱情をそそられ、やがて二人が去っていく足音が遠退いていき、とうに我慢の限界に達していた真宮の唇からは唐突な解放により、一気に波となって淫らな声が押し出されていく。
「あっ、ああぁ、はぁっ、はっ……、ん、やめっ……」
「えらかったね。苦しかったろ? もう何も気にしなくていいよな」
「あ、あぁっ、やっ……、いやだ、やめっ、あ、あぁっ、んんっ……!」
「やらしいの一杯出てる。グチュグチュ言ってるの聞こえる? いつまでも認めない悪い子には、お仕置きが必要だよな。何言ったって許してなんてあげない」
「はぁっ、はぁっ、もう、も、やめっ……、い、く、いっちゃ……んっ!」
ここまできてしまえばもう、彼には何も出来ない。
例え彼に非がなくても責めるように、苛まれるように甘やかな毒を注ぎ込んで、精神までもを屈服させて真宮の思考から何もかもを奪い取っていく。
何も考えなくていい、ただ此の身だけを映していればいい。
翻弄されているのはどちらだ、執着しているのはどちらだと、わき上がる問い掛けを振り払うように肌を叩き付け、ひくついている其処を何度も侵攻する。
ずるずると付いている手が滑り落ち、支えきれなくなっている真宮を抱き寄せ、自身へと添えている手を上下させる。
「あっ、あぁ、も、いっちゃ、あ、あぁっ」
「真宮っ……」
「はぁ、は、あぁっ、ぜ、ん……、あっ、も、い、く……、いく、あ、あぁっ……!」
思いもよらず熱を孕んだ声が漏れ、真宮の名を紡ぎながらぐぐと内部で触れ合うと、感じ入る声と共に堰を切って白濁が噴出し、程無くして彼が達する。
「あ、あぁぁっ……」
痺れるように、余韻へと浸りながら自身から欲深な蜜を溢れさせ、悩ましい声を発して脱力する。
そうしている間にも内部を擦り、ひくりと身を震わせている彼を見つめて達し、ずるりと引き抜くと同時に臀部から腰へと散らしながら白濁が溢れ出る。
「んっ……、はぁ」
我を見失っている真宮を引き寄せれば、力なく息をついている彼が大人しく身を預け、蕩けた表情で呆然としている。
「んっ、んぅ……、は」
顔を近付ければ従順にキスへと応じ、舌を絡めながらぴちゃりと音を発し、淫猥な微睡みからは未だ目覚められないでいる。
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