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庇護者 20※
喉元に触れ、違和感の正体を探ろうとするも、染み渡るように身体が熱を帯びていく。
それは徐々に、高揚感と共に全身へと行き渡り、いつになく感覚が鋭敏に研ぎ澄まされる。
額には汗が滲み、浴室に居た頃よりも身体が火照り、潤したばかりの喉が渇いていく。
そうして机上に置いた容器を見つめ、中に入っていたのは何であっただろうかと考えるも、アレは紛れもなく水だという答えだけが思い浮かぶ。
「どうかした?」
不意に声を掛けられ、視線を向けた先では漸が、コップに入っているであろう水を飲んでいる。
何事も無く平然としており、やがて飲み干した容器をテーブルに置き、いつの間にか目の前には彼が佇んでいる。
「お前……、何か……」
「顔、赤いんじゃねえの? もしかして熱でもある?」
無遠慮に頬を撫でられ、それだけで昂ぶるような感覚を味わい、咄嗟に後退して青年から距離を取る。
何が起こっているのか分からず、でも確かに今、彼の手が触れた先から快感が芽生えた。
目を背けたい事実に己を疑うも、鼓動は早鐘を打ち鳴らし、卑しい欲望が暗がりから這い出てくるのが分かってしまう。
「雨に濡れて身体冷えたし、疲れが出てきた?」
「いや……、俺は……」
「どうしちゃったの? 真宮ちゃん。そんなところで突っ立ってないで、こっちにおいで」
差し伸べられた手を見つめ、どうしようもなく熱くて仕方が無くて、それだけではない感情に気付いて目を背けている。
居たたまれなくて背を向けようとすれば、彼の手に腕を掴まれてしまい、それだけで全身が痺れるような甘やかな刺激が駆け抜けていく。
鼻にかかった吐息が零れ、漸の手を振り払ってから庇うように腕を擦り、ふらふらと壁に背を預けて力なく座り込む。
影が落ちて見上げると、目の前で佇んでいた彼がしゃがみ込み、指先が頬から首筋へと探るように触れていく。
「ん……、やめろ……」
「放っておけるわけねえじゃん。こんなに辛そうなのに」
「う、あっ」
「やっぱ勃ってる。どうしたのかなァ……、真宮ちゃんは。熱が出てえっちな気分になってきた?」
生地の上から下腹部へと触れられ、力強く擦られるだけで過敏な自身は熱情に苛まれ、腕を掴んでも凶悪な快楽に流されそうになる。
「はぁっ、はっ……。やめ……、さわ、な……」
「へえ……、効果覿面 。そりゃ常習したくもなるよなァ」
「あ、あぁっ」
「気持ちいい……? 真宮。さっき出したばっかなのに、もうこんなにしちゃったの?」
「はぁっ……、あ……、お、まえ……」
「敵を知るには、どんなもんか試してみないと。でも流石にバレると思ったんだけど、お前が一気に飲んでくれるから助かった。もうちょっと、警戒したほうがいいんじゃねえ?」
外気に晒された自身へと纏わり付く快楽に、容易く飲み込まれてしまいそうになる。
すんでのところで理性を支えながら、悪辣な青年の手口を察して睨み付けるも、彼は相変わらず楽しそうに微笑んでいる。
「ぐちゅぐちゅだらしなく涎 垂らしてんの分かる? やらしいなァ、真宮ちゃんは。えっちしたくてたまんねえって顔してる」
「あっ……、ふ、ざけんな……」
「そんな顔で何言っても説得力ねえよ。俺にちんぽ擦られて気持ち良くて仕方ねえんだろ?」
甘ったるい声が出そうになるのを堪え、代わりに弱々しく首を振りながらも、彼の腕を掴む手に力を込める。
「なァ、どんな気分? 俺も試してみようかな」
「あっ、うぅっ……」
容赦なく扱かれた自身から白濁が飛び散り、甘やかな痺れは抗い難く居座り、ぼやけた視界には黒い包みが映り込む。
「この……、クソ野郎……」
「それで……? 一回イッたらスッキリした?」
「あっ……」
「だよなァ……、まだだよな」
指先に頬を撫でられるだけで快感が走り、どうしようもなく淫らな身体は目前の敵ですら欲しがっている。
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