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庇護者 22※

「ん……、はぁ」 胸の尖りを弄ぶ手が、快感を煽るように指の腹で擦り、乳頭を押し潰しながら捏ね回す。 それだけで甘やかな痺れが走り、思わず目を閉じて口を噤むも、堪えきれない劣情が吐息となって淫らに零れていく。 触れられるだけで快楽が芽生え、止めなければいけないのに思うように身体を動かせず、気を抜くと情けない声ばかりが溢れてしまう。 抵抗する力を徐々に奪われ、それを分かっていながらもまどろみに浸りゆく己を引き上げられず、強烈な刺激に苛まれて身体ごと作り替えられていく。 「大丈夫? 真宮ちゃんには強すぎたかな。使った事ないでしょ、こういうの」 「あっ……、はぁ、あるわけねえだろ……」 「どう? 使ってみて。たまにはいいだろ」 「いいわけ、ねえだろ……」 理性を繋ぎ止めながら答えるも、欲情した身体はどこまでも貪欲に彼を求める。 目を背けて分からない振りをしても、漸の手が顎に触れるだけでも淫らな感情が芽生えるようで、滲んだ視界に優美な顔立ちが映り込む。 「お前は、なんで……。あ、うぅっ」 「平気なのかって……? そんな事ねえよ。ちゃんと真宮ちゃんと同じようにえっちな気分になってる」 「ンなこと、聞いてねえ……」 「照れちゃった? まあ、俺はほら……、こういうの初めてじゃねえし」 「あっ……、はぁ、は……」 「でも真宮ちゃんは効き過ぎ……? そんなにおっぱい舐められんのが気持ちいいわけ?」 言い返したかったが、舌で舐め上げられた刺激に呑まれ、情欲に絡め取られて下腹部が熱くなっていく。 「はぁ……。こんなもん、いつも使ってんのかよ……」 「いつもじゃねえよ。たまに遊んでるだけ」 「あ……、誰と……」 「へえ……、それ気になる?」 何気ない言葉のつもりであったが、彼には思うところがあるらしく、うっすらと微笑みながら胸元に口付けてくる。 「あっ……、やめ……」 口許に手を添えて堪え、胸元で悪さをする漸の髪を掴むも、振り払う力すら今は湧いてこない。 一方の尖りは指に弄ばれ、じんわりと滲み出す快感に支配され、有り得ないはずの感情が切り離そうとしても無限に追い掛けてくる。 求めていないはずなのに、気を抜くと身体が欲しがろうとする。 いつになったら楽になれるのかと気が遠くなるようで、そうこうしている間にも彼の愛撫が脆い理性を削ぎ落としていく。 「真宮ちゃんてば、またこんなにしちゃったの? さっき出したばかりなのに」 狂い出しそうな理性を抑え込むだけで精一杯で、漸が何事か語ろうともすぐには理解出来ないでいる。 彼が身を起こせば、自分では掴んでいると思っていた手が力なくずり落ち、漸が我が身へと引き寄せるようにその手を取る。 そうして指に口付けをされ、触れられるだけでも電流のような快楽が駆け巡り、下腹部が淫らな熱情を集めていく。 「卑怯な真似、しやがって……」 「そんな事とっくに分かってたはずだろ……? 真宮ちゃんは俺の何を見てたわけ?」 「んっ……、く」 「でもこうやって、真宮ちゃんも気持ち良くなってるわけだしいいんじゃねえの? 全部手放してみろよ。なァ、真宮」 「はぁ、あっ……、お、まえの好きにさせて、たまるか……」 「強情だなァ。いつまでもつか分かんねえけど」 何度目かの口付けの後、力ない手を取られたまま、いつの間にか彼の頬に掌が触れる。 重ねられた手の温もりが伝わり、それがいつになく熱を纏っていて、冷静さを装う彼にも等しく劣情が降りかかっていることが分かってしまう。 「お前だって……、一杯一杯じゃねえかよ……」 「真宮ちゃんとおんなじだね。この中も疼いてんの?」 彼の頬に手を取られたまま、一方で汗ばんだ腹部を擦られ、ゆるりと思わせぶりに触れられてぞくぞくとした刺激が這い上がってくる。
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