361 / 379
庇護者 25※
「あっ、ああぁ……」
ずぶずぶと押し拡げられ、狂おしい程の熱情が混ざり合い、甘やかな声が溢れていく。
思わず敷布を掴むも、絶え間なく注がれる快楽から逃れる術もなく、ぼんやりとした思考は最早虫の息で抗っている。
気持ち良くて仕方がなく、こんなにも拒む必要なんてあるのだろうかと、苦しみから解き放たれたい心が惑わすように語り掛けてくる。
懸命に抗い、歯を食い縛って快感を押し殺し、必死に堕ちまいと理性を奮い立たせても、その一つ一つを容赦なく彼は踏みしだく。
気を抜くと媚びるような声が溢れ、淫猥な空気は尚も色濃く両者を包み、甘く儚げな地獄は終わりなく続いている。
「まだ、頑張ってんの? 苦しくない?」
「あっ……。う、るせぇっ……、はぁ」
「こんな身体してるくせにまだそんな事が言えるなんて、真宮ちゃんもしぶといね」
「あ、あぁっ……」
「なァ……、ホントはもう限界だろ? 真宮」
「うっ、んんっ……」
胸の尖りを掠めるように肌を擦られ、劣情で汗ばむ身体はいとも容易く快感を拾い上げる。
気が付けば間近に漸が居て、食い入るように見下ろす彼から目を逸らしたくなるも、逃げ場などないまま唇を奪われる。
「はぁっ……、ん、んんっ……」
離れなければと思うのに、艶めかしく唾液が絡み合う度に危機感が麻痺し、次第に自ら舌を触れ合わせていやらしい音を奏でていく。
欲望に溺れた口内で舌を絡ませ、下腹部が更なる熱を孕んで蜜を滴らせ、貫かれる奥が待ち焦がれるようにじんわりと疼く。
そうして一頻り唾液を混ざり合わせてからハッと我に返り、情欲に塗れた自分を恥じるように顔を背けるも、漸がすんなりと許してくれるわけもなく顎を掴まれる。
無理矢理に向き合わされて再び唇を奪われ、深く繋がり合って舌が絡み付き、燃えるような熱情に口内を支配されておかしくなりそうになる。
「あっ、離せ……、あ、うぅっ……」
「自分から舌絡ませてたくせに、よく言うぜ。我に返って恥ずかしくなった?」
「ちがっ……、はぁ、ん、んんっ……」
「もう、あんまり考えらんねえだろ……? 何が正しいだとか、公平だとか」
「あっ……、やめ……」
「ここまでよく頑張ったよ、お前。こんな状態でさァ……」
肌を撫でる手が胸元に辿り着き、尖りを押し潰すように荒々しく捏ね回す。
それだけで強烈な快楽が一気に広がり、奥を貫かれながら過敏に呼応した自身が、何の抵抗も出来ないままに限界へと達する。
身体をひくつかせながら頂点を迎えるも、未だ彼との営みを終えられず、何処か惚けていた意識を無理矢理に引き戻される。
「真宮ちゃんは乳首捏ねられるだけでイクようになっちゃったんだ。いつの間にそんなエロくなっちゃったの?」
「あっ、や、め……、もう……」
「ホントに? やめてほしいって顔してねえんだよな。寧ろまだ、足りてないって顔」
「はぁ、は……、ぜ、ん……」
「なあに? まだ俺と遊んでくれるよな? 全然薬切れてねえみてえだし、今手放されても困るだろ……?」
達して間もなく、意識が遠のくような甘ったるい痺れに包まれるも、余韻に浸るいとまも与えられずに奥を攻められる。
過敏な身体は快楽を受け止めきれず、すんでのところで耐えていたような理性では最早許容出来ずに、間近で見下ろす甘美な視線に晒されて自我が音を立てて崩れ始める。
「何回イッた? もう何にも出てこねえんじゃねえの?」
「あァッ……! さわ、っな……、あ、あぁっ」
「いいなァ……、その顔。こんだけイッても、まだ感じるのかよ。ホントだらしねえんだから、真宮ちゃんは」
敏感な自身を擦られ、為す術もなく扱かれる刺激にどうにかなりそうで、それがまた次第に新たな快感を芽生えさせていく。
甘やかな言葉の数々が思考を浚い、繋がり合うそこからは淫らな音が零れ、微かに乱れる漸の息遣いにも熱情を煽られてしまう。
ともだちにシェアしよう!

