「もし、僕がいじめられてたらどうする？」 颯に言うのは少し気が引けたけど 勇気を出して言ってみた。 「その人たち、誰？誰にいじめられてるの？ねぇ兄さん。教えてよ。お願い」 そんな怖いことを言うから僕は少しびっくりして、そんなの冗談だよ。って困りながら言った。 「そんな顔、いつも見せてるの？」 そんな顔、の意味がわからなかった。 「？そんな顔って？」 「こういう顔だよ。兄さん。お願いだから、ボク以外にそんな顔見せないで。」 「？わかった」 「ねぇ、兄さん。ボクのこと好き？ボクは兄さんのこと好きだよ。」 ずっと一緒に育ってきた弟に言われたのは嬉しかった。 「？もちろん僕も、好きだよ」 そういうと、颯は抱きついてきた。 受けきれなくて一緒に倒れてしまったけど、僕を必要としてくれる人がいるだけて嬉しかった。 そして、同時に死んじゃいけないって思った。