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第6話
家に帰ろうとして、校門を出て歩きはじめた。
そのとき、後ろから聴きたくない聞き慣れた声が聞こえた。
「よぉ、桜夜ちゃん。こんな時間まで何してたんだ?最近さ、お前朋ちゃんと仲いいよな。仲良くすんのはいいけどよォ、この事いったらどうなるか分かるよな?じゃあな小夜ちゃん」
あぁ、知ってる。どうなるか。
僕を守ろうとした人はみんな僕の目の前から消えていくんだ。
母さんもそうだった。僕と弟を守って消えた。
弟はまだ幼かったから覚えていないかもしれない。でも、僕のお母さんは二人のの目の前で、父親によって―殺された。
だから、自分も助けてと言わなかった。
自分だけ傷つけば良い。
今もそう思っている。
たとえ自分が辛くても、人に迷惑と思われたくない。
だから、人とは関わることはしなかった。
先生まで消えてほしくない。
目の前から居なくならないで欲しい。
だから、もう―――。
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