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第131話 (和希)

「和希、今日、夜遅くに出ようぜ。その方が道路空いてるだろう」 「うん、解った。拓真、俺も何か手伝うよ」 「いいって、体キツイだろう。休んでろ、どうせ業者入れるんだ、軽く掃除するだけだ」 昼頃、2人で目覚めカップラーメンを食べそれから拓真は軽く掃除すると言って風呂場.キッチン回り、掃除機をかけ寝室は特に念入りに掃除していた。 かれこれ1時間位経っている。 「ふう、取り敢えず終わったかな」 「ごめん、拓真、1人に掃除させて」 頭を撫でられ「和希が動けないのは、俺の所為だろ。気にするな」 「そうだけど……」 「少し寝ようぜ、3時間位寝られるだろ」 ソファに横になりその上に俺を乗せ抱きしめて目を閉じてる。 俺は拓真の胸に顔を埋め拓真の規則正しい心臓の音を聞いてるうちにいつの間にか寝ていた。 先に目を覚ましたのは俺だった。 顔を上げ拓真を見ると目をまだ閉じていて寝ているようだ。 起こさないようにジッと見つめてやっぱ、拓真はカッコいいなあ、この1週間は拓真の優しさと少しの意地悪と激しい部分を見た濃密な日々だった。 いつもの拓真も激しいセックスをするが別荘に来てからは箍が外れた様にいつもに増して激しく求められ、俺は体が辛くっても心では凄く嬉しく少し自信持てる様になつた。 心の底ではいつ女の子に取られるじゃないかとか拓真がやはり女の子の方がいいって言い出すんじゃ無いかと思う気持ちは残ってるがそれは消える事は無いだろう。 でも、この1週間で拓真を信じようという気持ちも大きくなった。 拓真を見て、拓真、信じるからと心の中で呟く。 「そんなに穴が空くほどガン見して、幾らカッコいいからってあんまり見つめるなよ、流石の俺も照れる」 俺が見つめていた気配を感じて話す。 「確かにカッコいいけど自分で言うと好感度下がる、ナルっぽい」 「はあ、誰がナルシスト何だよぉ。事実をそのまま言っただけだろうが」 「本当にカッコいい人は、人前でそんな事言いません。拓真は自称カッコいい人って事で」 キャハハハ…。 「はあ、誰が自称って?誰に聞いてもカッコいいって言うんだからな。事実、和希もそう思ってるだろう?」 「自信過剰だけど、拓真は確かに外見はカッコいいけどそれだけじゃないからね。俺は拓真の解り難い優しさと自分勝手で我儘だけど結構気を使う所とか約束守る所とかそういう所が好きなんだからね」 勢いで拓真の好きな所を並べて話し、言ってしまってから恥ずかしくなり顔が赤くなる。 「…和希。やっぱ和希は俺の事良く見てるんだな、めっちゃ嬉しい。和希だけだ…好きだ」 見つめ合いどちらから共無く顔を寄せキスした。 それから夜遅くに別荘を出る事にした。 その時も拓真は動きが鈍い俺を車に乗せ、2人分の荷物も運んでくれ凄く優しかった。 車を走らせて直ぐに 「また、2人で別荘来ような」 「うん、また、来たい」 拓真がまた俺と来たいと思ってくれて嬉しかった。 別荘での1週間は、俺達の絆を寄り深くしたと俺は思った。

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