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第132話 諦めない心(和希)
あの別荘から2週間程経った。
俺は殆ど拓真のアパートで過ごしている。
アルバイトに行ったり洗濯や荷物を取りに自分のアパートに帰る時以外は拓真と過ごしている。
拓真が「夏休み中は、一緒に居ようぜ」と言われ俺も離れ難く嬉しかったから「うん」と答えた。
あの夢のような別荘を過ごしたからかお互い離れたく無かったんだと思う。
ゲ-ムしたりDVD見たり買い物に出掛けてフラフラしたり、でも遊んでばかりもいなかった。
お互いの課題を熟し図書館に行ったりもした。
夜は一緒に寝て、もちろんセックスも毎日のようにした。
去年、行った花火大会にも行き
「やっぱり綺麗だね」「迫力が違うな」と話し、去年の花火大会の事を思い出していた。
拓真は去年の花火大会の時は、まだ好きかどうかは解らなかったけど俺の事は気になりだしていたって言った。
初めて聞く話だった。
俺は花火大会の時には、もう好きだったけど拓真は男には興味無いだろうと諦めていたと話した。
「こうして2人で居られるのは俺のお陰だな」
「どうして?」
「そうだろう?和希は諦めていた、俺は好きになってからは諦めなかった。必ず和希を手に入れると決めてた」
胸の内を話してくれた拓真に目がうるうる始出した。
「今年こうやって、また花火大会にも来れたのは、俺達は惹かれ合う事が決まってたんだな」
って綺麗に夜空に輝く花火を見ながら話す拓真に俺は感動して、とうとう涙が出た。
拓真は涙を拭いてくれ、こっそりキスをくれた。
それも凄く嬉しかった。
拓真が去年の花火大会で「来年も来ような」と言った約束を覚えてくれたのも嬉しかった。
そしてまた、今年も「また、来年も来ような」と言ってくれて俺も「うん、約束だよ」と泣き笑いで話した。
本当だ、拓真が言う通りだ。
俺は諦めていたのに拓真のお陰で付き合えている。
今度はどんな事があっても諦めず拓真を信じてみようと心に決めた瞬間だった。
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