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第143話 合コン①(拓真)
合コン当日、先輩達と駅で待ち合わせしていた。
「よお、今日はサンキュ-な」
「本郷の合コンなら可愛い子だらけだろうな」
「外れは無いよな」
「楽しみぃ」
「俺、絶対ゲットしてお待ち帰りする」
何が楽しいのか勝手な事を言ってる先輩達に
「先に言っておきますね。合コンである程度の情報は流しますが後は自分で何とかして下さいね。カップルになるとかお待ち帰りとかは御自分でお願いしますね。そこまでは責任取れませんから」
「解ってるよぉ」
「合コンして貰っただけで感謝してるしぃ」
「「そうそう」」
本当かよと思いながらも肝心な事を話す。
「後、俺は1次会で帰りますから。2次会とかお持ち帰りはそちらでやって下さいね。頼みますよ。それと合コンはこの1回で頼まれてもやりませんから、これで責任は果たしましたからね」
「解った。解った」
「本郷、色々注文多いよぉ。もう、解ったから」
「良いから早く行こうぜ」
「どんな子達かな」
「ノリが良いと盛り上がるよな」
また、勝手な事を話し出し、本当に解ってるか不安なまま合コン会場に歩き出した。
洋風居酒屋の個室で由香里達女の子は待っていた。
「悪い。少し遅れた」
「私達も今、来た所だから」
席に着き、飲み物を頼み。
料理と飲み物が来た所で一応幹事だからと思い乾杯の音頭をとる。
「じゃあ、揃った所で今日は楽しく飲みましょう。乾杯」
乾杯.乾杯.……乾杯!
皆んなが酒に口を付けた所で
「恒例の自己紹介しますか?取り敢えず俺から
本郷拓真.3年で今日は幹事に徹しますから俺の事は気にしないで盛り上がって下さい」
先に合コンの人数には入って居ない事をさり気なく話し、飽くまで幹事だと強調しておく。
そうじゃ無いと女共は煩くって仕方ないし先輩達を立てておく事にした。
「次は男子から順に自己紹介お願いします。アピールは盛大にして下さいね」
次々と先輩はアピールポイントを盛り込みながら自己紹介する。
男子が終わると由香里が
「じゃあ、女の子の番ね。私からするわね。宮本由香里.3年で楽しい事大好きだから今日の合コンも幹事だしぃ盛り上げてちゃうねぇ。次、自己紹介お願い」
次々と女子も自己紹介を始めた。
それを眺めて、まあまあのレベルだな、中の上か。
上目遣いでぶりっ子したり猫撫で声出したり.髪掻き揚げてセクシ-さをアピールしたりと中々、合コン慣れしてると見た。
流石、由香里が人選しただけある。
これなら男子より女子が積極的にいくかもな、ノリも良さそうだしその方が楽でいい。
「女の子も終わったし、まだ、硬さがあるから1人ずつ質問して、それに答える感じにする?」
由香里の案に俺は賛成し男女交互に質問し、それに皆んな答える事で時間を潰した。
「じゃあ、好きな芸能人は?」
「休みは何してる?」
「どんな子がタイプ?」
これが結構、交流を深め盛り上がり何となく硬さもとれ段々と合コンらしくなってきた。
やはり合コン慣れしてる由香里に頼んで正解だと思った。
「何となく交流も取れたし席替えしますか?」
賛成.賛成……OK!
「じゃあ、1ずつ席空けて男子は移動して下さい。移動したら目を瞑り下向いてて下さいね。どの女子が横に来るかはお楽しみで」
先輩達に移動させ好みのタイプの男子の横に座るように目配せをした。
由香里は耳打ちをしそれを伝え女子は移動し始めた。
「はい、男子は目を開けて下さい」
先輩達は両隣を見てニマニマして挨拶していた。
これで多少はカップルになる率は高くなるだろうとフリ-タイムに暫くした。
由香里がそれを見て
「いいなぁ。何か幹事より楽しそう」
俺にしな垂れ掛かり腕を組んでくる。
「おい、よせよ。俺達は幹事なんだからな」
「やだぁ、拓真。それなりの雰囲気出さないと皆んなも遠慮しなくなるじゃん」
それもそうかもと思い
「おい、解ったけど、ここまでだ。雰囲気出すには十分だ。これ以上はしないからな」
「んもう、拓真のケチ。私だって少しは良い思いしたいじゃん。でも、ここまででも良いわよ。この中で拓真を独り占め出来るのも良い気分だから」
話しが解る奴で助かるが一応釘を刺しておく事にした
「酒入ってもやる気は無いからな。余計な期待はするな。俺は今日は幹事だし先輩達を立てないといけないからな。どうしてもシタかったら先輩の中から持ち帰れ、いいな」
「解りました。私も今日は幹事に徹しますよぉ少しイチャイチャも入れていくだけだからぁ」
「まあ、少しならな」
由香里の術中にハマった様な気もするが少しだけ雰囲気作りをする事にした。
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