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第146話 合コン④駆引き(拓真)
「俺達は幹事だから、2番の組みに権利譲りますよ。あっ、先輩の組みですね」
「良いのか?何か悪いなぁ」
「何の為の合コンですか。主役は先輩達なんですから気にせず、どうぞ」
「本郷っていい奴だな」
「遠慮なさらず、周りも煩いですから、どうぞ」
俺はキスから免れ、先輩には感謝され一石二鳥だ。
周りから「どっちでも良いから早くしろ」
キス.キス.キス.……組みが変わるとまた、それはそれで盛り上がり始めた。
周りの雰囲気で先輩は女の子を立たせ、両手で肩に手を掛けキスをする。
周りはヒュー.ヒュー、キャ-.「もっとやれ」とかヒ-トアップする。
先輩も調子乗って1度離した唇に、もう一度キスした。
女の子も満更じゃあ無いようで先輩の胸に顔を埋める。
周りは囃し立てテンションMAXだ。
ク-ルダウンさせる為に
「そろそろ時間になります。会費だけ頂いて会計して来ます。男子¥4000.女子¥3000でお願いします」
会費を集め会計をする為、個室を出た。
会計を済ましトイレに行き用を足して出るとドアの辺りに由香里が待っていた。
「どうした?」
「あの雰囲気の中で1人でいるのキツイから出て来ちゃった。あの分なら2次会企画しなくっていいわね。もう、イチャイチャしてるんだから」
「そうか。由香里のお陰だな。それにもして、あのゲーム良く考えたな」
「アレは前の合コンの時に盛り上がって、カップルになる確率がグ-ンと高くなったからやってみたの。たくまぁ、私、頑張ったんだからぁ。私のお陰って言うなら、ね、いいでしょう?」
俺の首に両手を回してきた。
外そうとするが前も思ったが、由香里は力が結構あって、外れない。
由香里も外さないように必死になってるから面倒でそのままにした。
「はあ?何がいいでしょうだ?」
「ん、もう、解ってる癖に。私だけハブでつまんない。私もやりたくなっちゃった。ね、たくまぁ」
お酒も入って場の雰囲気に感化されたのか。
一瞬考えたが「最初に言ってあるだろう。俺は寝ないって。やりたきゃ誰か他探すんだな」
「だってぇ、皆んなカップルになってんじゃん。誰がいるのよぉ。拓真しかいないじゃん。もう、H済みの仲なんだしいいでしょう?」
「俺は何回も、同じ女とはしないって言ってるだろ。後々、面倒になるから。おい、聞いてんのか?」
「何よ。拓真、変わったわね。前は遊びでやってた癖に」
「そう、俺は変わったの。やり過ぎて飽きたし馬鹿らしくなったんだ」
何度言っても無理と解ったのか俯いて大人しくなったと思った瞬間、首に回していた両手を俺の両頬に手を当てて、ブチュ-っとキスされた。
不意打ちで咄嗟に反応出来なかった。
突き飛ばし唇を手の甲で2~3回拭い。
「何すんだよ」
「Hダメなら頑張った私に少し位、ご褒美あっても良いでしょ。ちょっと位良い思いさせてくれてもいいじゃん。これで勘弁してあげるんだから」
してやったりって顔をする。
さっきの大人しくしてたのは演技かよ。
「確かに、由香里のお陰だけど……もう、いい。これで終わりな」
「あー、Hモ-ドに入っちゃったから、ムラムラするぅ」
「勝手にしてろ。そこら辺で軟派すりゃいいじゃん」
「変な男に引っかかったらどうするのよぉ」
変な男に引っかかる事は気にするんだ、その前に貞操観念をどうにかしろよ、全く。
由香里のこのアッサリと言うかあっけらかんとしている所は遊び相手には最高なんだけどなと思い、その時フッと頭に浮かんだ。
「おい、由香里のムラムラ解消してやるよ」
「えっ、何、何?拓真、その気になった?」
「良いから、着いて来い」
由香里を伴って歩きはじめた。
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