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第152話 勝手な先輩達(拓真)
その日は、和希と内田と3人で学食で食べていた。
内田のバカ話に笑いながら、食べていた時だった。
「ここ、いい?」
良いとも言って無いのに勝手に座るんだったら、初めっから聞くなよと心で思っていたが、顔には出さない。
「本郷、この前はサンキュ。合コン、メッチャ楽しかった。流石、本郷の合コンだよな。女の子のメンツもレベル高いしノリが良い子ばっかだし」
「そうそう」
先週の合コンにいた先輩2人が、声を掛けてきた。
和希が居るんだから変な事言わないでくれよと思いながら
「そうすっか?合コンなんて、どれもあんな感じじゃないですか?」
「いや、この間は盛り上がったよな?」
「うん、うん。特にあのゲームな。最高!」
「楽しんだら、良かったです」
早くどっか行けよ。
「いやぁ、あのゲームのお陰で良い思いさせて貰ったし」
「俺も俺も。結局、2次会無しでそれぞれカップルになって散ったしな。ホテル直行じゃねぇ?」
勝手に話すのを黙って聞いていた。
内田も和希も先輩だから何も言わずに聞いている。
「そう言えば、本郷も由香里ちゃんとイチャイチャしてたのに、何で最後のゲームのキスしなかったんだよぉ。勿体無い」
余計な事を………。
「先輩、俺達は幹事なんで、始めから皆さんが早く仲良くなる為に、演出してたんです。あれも打合せしてましたから。最後の最後に幹事がなるのは操作してるんじゃ無いかと疑われますからね。先輩達の合コンなんですから、譲るのは、当たり前ですよ」
最もらしい事を言うが、和希には言い訳に聞こえるだろうか?
「そうなの?本郷って良い奴だったんだな」
「俺も今回でそう思った」
人の事どう思ってたんだよ、全く勝手な奴ら。
「でも、帰り由香里ちゃんと帰らなかったんだな?本郷ならお待ち帰りすると思ったのに、1人でサッサと帰って」
「結局、由香里ちゃんは他の奴が送ってたんだっけ?」
又々、余計な事を……。
「合コンの打合せの時から1次会で帰るって、由香里には話してます。あの時は、由香里もう少し遊びたいって言ってたんで、帰り道一緒の先輩にお願いしました」
ホント、どっか行ってくれ。
疚しい事はして無いが和希の顔が見れない。
「俺、盛り上って、あの後ホテル行っちゃった。で、LINEゲットしたから、暫く連絡して卒業まで遊ぼうかな?」
「俺も実はホテル行った。あのゲームのお陰かな?カップル率高かったからな、他にも行ってるんじゃねぇ」
「そうかもな。これも本郷のお陰だな」
「ほんと、ほんと」
いい加減にして欲しい。
「先輩、頼まれたのは1回だけで役目は、果たしました。後はホテルでも遊びでも勝手にして下さい。俺は関係無いので巻き込ま無いで下さいね」
「解ってるって」
「取り敢えず、礼だけ言っておこうと思って。じゃあ、またな」
勝手な事を散々言って2人は学食を出て行った。
その後ろ姿を睨んで、頭では和希に何て言おうか考えていた。
「なんか、凄え、盛り上がった合コンぽいな」
内田に聞かれ、ここで話すしか無いと思って
「そうだな。盛り上がってたのは盛り上がってたな。けど、俺、幹事だし女子の幹事が合コン慣れしてるから、盛り上がるの上手いんだよ」
「へぇ?良いなぁ。拓真、俺達にも合コン開いてくれよ」
「はあ?前にも言ったけど面倒くさい。今回は先輩が煩かったから、1回やれば気が済むと思ったからだし。俺が進んでする訳ねぇだろ」
「だよなぁ。拓真ってそういう奴だよな、和希そう思わねぇ」
「解ってんなら聞くな!」
「拓真、お疲れ様。先輩達が楽しんだなら、それで良いじゃん」
ニコニコして和希が話すのを見て、怒っている風でも無いしヤキモチ妬いてる感じでも無い?
なんかこれはこれで寂しいと感じた。
少しは妬いて欲しいと身勝手にも思った。
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