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第153話 疑惑のLINE(和希)
先輩の話を黙って聞いて、本当は腹の中でムカムカしていた。
何で、女の子とイチャイチャする必要があるの?そんなゲーム何で参加するの?どうして合コンに行かなきゃ行けないの?どうして.どうして……そんな事ばこり頭に浮かんでパニックになりそうだった。
でも、拓真は1次会でちゃんと帰って来てくれたと思い直し浮気して無いのも確認済み、その2つの事で何とか顔にも態度にも表さずに済んだと思う。
大丈夫.大丈夫……頭の中で言い聞かせていた。
先輩の話で、拓真の手の甲に付いていた口紅は、ゲームの時かもと何とかなく原因が解ってゲームなら仕方ないと一抹の不安要素が無くなった。
だから、拓真には何でも無いような顔で、気にして無い風で話した。
拓真は妬き持ち妬いたり、しつこく聞いたりされるのは嫌だろうと勝手に思った。
それがいけなかったのかも知れない。
最初が肝心なのに、きちんと俺の気持ちを言ってれば、段々気持ちが擦れ違う事も拓真に対して話せなくなり我慢する日々が続くようになるとはこの時には解らなかった。
拓真が寂しく感じてる事も、妬きもち妬いて欲しかった事も。
それから拓真が遊び始めたって噂が広がり、拓真には合コンの誘いや飲み会の話が頻繁にくるようになった
女の子も前より拓真の周りにまた、集まり始めた。
それでも拓真は女の子とは大学内だけ相手してるし合コンも飲み会も「年内は忙しい。空いてる日が無い」と断ってくれていた。
それを勝手に「年内は合コン、飲み会が詰まってるらしい」「やはり、遊び始めたんだ」言ってる人がいた
「拓真、皆んな勝手に誤解して言ってるけど良いの?」
拓真は凄く誤解され易いからと気になり話すと拓真は俺に「勝手に誤解してスケジュールが詰まってると思ってくれた方が誘いが無くなって楽だ」笑って話してた。
本当にそう言う所、不器用だ。
「そんな事よりクリスマス、一緒に過ごそう」
拓真からの嬉しい言葉に俺も「うん」答えて、拓真が俺の事ちゃんと考えてくれている事が、凄く嬉しかった。
去年はイルミネ-ション見に行った。
それは付き合う前で今年は付き合って初めてのクリスマスだ、俺も拓真に何かプレゼントしようと考えていた。
拓真の思惑通りに年内は無理と言ってたのが功を奏し、段々と誘いが減っていった。
それでもクリスマスが近いからと焦る人は拓真に合コンを誘ってくるが拓真はきっぱり断っていた。
12月入って、拓真のアパートで2人でいた時に、拓真のLINEが鳴った。
LINEを開いチッと舌打ちして
「和希、悪い。急に明日、人に会わなきゃなんなくなった」
俺は拓真と毎週会ってるから、買いに行けないクリスマスプレゼント買うチャンスと思って
「うん、いいよ」
拓真は少し引きつった顔をしたのも気づかず、何にも考えず答えていた。
「悪い。急に頼まれ事されて断れない。その日で終わる事だから」
しつこく聞くのもと思って
「うん、明日、何時?」
「昼からだから、今日泊まって。明日、一緒に出ればいいし、それとも待ってる?」
「う〜ん。アパート戻って、掃除や洗濯するから、一緒に出る。それからバイト行くし」
「じゃあ、そうしよう」
この時、もっと拓真に誰と会うのか?何の用事なのか?聞けば良かったと後になって後悔した。
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