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第156話 (和希)

拓真と分かれて、1度自分のアパートに戻り、少し休んでから出掛ける事にした。 ただ宛も無くフラフラしてもと思い、スマホで拓真のクリスマスプレゼント、何がいいか検索する事にした 「ん~ん、やっぱ時計かな?」 時計を検索して気が付いた。 そう言えば、亮介に腕時計をクリスマスプレゼントとして、玄関の棚に置いて来たはず、あれどうしたかな?捨てたかな?それとも使ってくれてるかな?亮介、元気かな?元気で新しい恋人出来て、幸せになっていて欲しい。 そっかぁ、あれから1年経つんだ。 拓真と付き合ってからは、いつか飽きられるんじゃ無いかと始めはビクビクしていた。 最近はドキドキとムカムカとやはりビクビクだな。 2人でいる時は楽しいけど、拓真の周りは誘惑が多い。 何かいつも見張って無いと誰かに取られるんじゃ無いか、どこかに行ってしまうんじゃ無いか常に考えてしまう。 けど、拓真には言えない。 嫉妬深いとか一々煩いとか思われたく無いから、言いたい事も言えず、聞きたい事も聞けない。 ただ、拓真を信じるんだと自分に言い聞かせるだけで我慢する。 最近はこんな感じで、長く付き合えるか心配になってきている。 でも、好きなんだ……。 変な事考えていたら気分が滅入ってきた。 「いけない、いけない。今は拓真のプレゼント考えてたんだ。腕時計は止めようかな、他見つからなかったら腕時計にしよう」 クリスマスプレゼントランキングとか流行りの物とか検索し始めた。 結局、決まらなかったから、アクセサリ-ショップに行き、スマホで検索した流行りのアクセサリ-と腕時計の実物見て決めようと出掛けた。 店の中を見て回り 「う~ん、腕時計ならG-ショックかワイア-ドだな。ワイルド系ならG-ショックだけど、社会人になっても長く使えるしワイア-ドかな?どうしょう迷う。一応キ-プで他も見よう」 それから何店舗か回り 「あっ、これカッコいい」 俺の声に近くの店員さんが 「これ、今、流行ってるしデザインもシンプルで長く使えるよ。僕も使ってるけど、どんな服にも合うしね。ほら」 自分の手首に着けているブレスレットを見せてくれた 「ほんとだ。シンプルだけどカッコいい!ん~、どうしようかな?実は、腕時計にしようか迷ってるんです」 「そうなの?時計って見る?今、皆んな携帯で見ない?腕時計好きな人だと使うかもしれないけど、それにこれ着けっぱなしでOKだし、腕時計より安いよ」 言われてみれば、拓真も腕時計してないし、着けっぱなしでいいのも決め手になった。 「これにします。プレゼント用に包んで下さい」 会計して、帰りの電車の中で、拓真着けたらカッコいいだろうな、気に入ってくれるといいけど。 付き合って初めてのクリスマスを過ごせる事で頭がいっぱいだった。

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