168 / 379
第169話 就職話し(和希)
夢のようなクリスマスから、そのまま大学は冬休みに入った。
俺と拓真は同じ時期にお互い実家に帰り、それ以外は、拓真のアパートで過ごした。
拓真とゲ-ムしたりDVD見たり買物行ってゲ-セン行ったり、近くの神社に初詣でも行った。
遊んでいただけで無く課題もしっかりやった。
拓真のアパートからバイトにも行って、拓真も夕飯を食べに来たり前みたいに帰りも待ってくれて、2人で拓真のアパートに帰って、まるで同棲してるようで楽しかった。
けど、拓真には言えないでいるけど帰省した時に親から「就職は、どうするのか?」「戻って来るのか?」「どんな職種に就くのか?」質問攻めに合い、今まで考え無かったとは言わないが、もう少し先と真剣に考えて無かった。
俺の周りの人は、まだ就活もして無かったから俺も呑気に構えていた。
一応、答えられる所は答えたつもりではいるけど、肝心な所はどうするか迷っていたって言うか、拓真はどうするのか?聞いてみたかったけど……拓真の答えが恐くって聞けずにいた。
それは卒業してからも付き合っていくのか?それとも大学だけの付き合いなのか?
それによって俺も就職先や場所を考えるつもりだから
俺は卒業しても一緒に居たいから、成る可く拓真の就職先の近くに住むか就職先を探したいと思っているけど……拓真は就職どうするのかな?俺達の事もどうなるんだろう?
4月からは、大学4年で就職という難解が待ち受けていた。
拓真と楽しく過ごしているからって、就職の事は先送りにしていた冬休みも終わり大学が始まった。
大学が始まってもなんやかんやで忙しく、たまに学食で会う位だったけど、久しぶりに中嶋.内田.武史.俺と拓真でテニスサークルで汗を流し、その帰りに夕飯がてら冬休みのお互いの近況報告会をしていた。
「何か、サ-クルも久しぶりだし、皆んなで集まるのも久しぶりだな」
ご飯を食べならが話し始めた内田。
「そうだな。冬休みも会わなかったし帰省してたしな」
素っ気なく話す拓真と黙って話しを聞いている武史。
「そう言えば、山瀬は?」
山瀬が居ない事に不思議に思って聞くと中嶋が
「山瀬、帰省して地元の企業のインターンしたり説明会行ってるらしく、1月末までこっちに戻らないらしい」
「へぇ。山瀬って、地元就職するんだ」
「そうらしい。なんか大学生活も終わりだな。4年になったら就活で忙しいなるし中々集まられなくなる」
しみじみ話す中嶋に皆んな何となく考え込むと内田が明るく話す。
「早く、皆んな就職して後期は遊ぼうぜ」
「お前が1番心配なんだよぉ~」
「俺は決めてるから大丈夫。高校の教師になる。そんで女子高生から先生カッコいいって言われんの」
「マジ?」拓真。
「嘘ぉ~」俺。
「生徒が可哀相だろ」中嶋。
「………」武史。
皆んな其々予想外で驚くけど、本人はやる気満々だ。
「いやぁ~、マジ.マジ。教授にも今、色々聞いてる所だしぃ。3年の時に実は教員免許取ってる。後は5月か6月に教育実習して、女子高生に囲まれてキャ-.キャ-言われるんだぁ~」
「男子高に行け!そんな甘い訳ねぇ~だろうが……でも、内田にしては目的は安易だけど将来の事考えてたんだなぁ。意外」
中嶋の言ってる事に俺達は頷いた。
「中嶋は?」
内田に聞かれ、中嶋は暫く考えていた。
「う~、ちょっと迷ってるんだけど。普通に企業に入ってサラリーマンするか?公務員試験受けて地元の役所関係に就職するか?帰省した時に、公務員の方がいいんじゃないかって親も言ってたし、俺もそっちの方が合ってる気がするけど、皆んなが就職決まっても公務員試験の勉強したり就職決まるのも遅いんだよな。それが不安要素で迷ってる」
内田や中嶋の話しを聞いて、今までそんな話しをして無かった、初めて聞いた。
皆んな色々将来の事を考えてるんだなと思い、俺もきちんと考えようと思った。
それから俺や武史も聞かれた。
「俺は一応、IT企業に就職しようかと思ってる」
俺は今考えてる事を話す。
「俺は出版社。今、バイトもしてて俺に合ってるし」
武史が出版社でバイトしてるのは初耳だった。
「えっ、武史、出版社バイトしてんの?知らなかった」
「半年位前からな。電話番したり原稿取りに行ったり雑用だけど」
「武史に合ってるよぉ~。武史、本好きだし良いじゃん」
俺が褒めると武史も照れ臭いのか?少しはにかんでいた。
解り難い武史の表情だけど俺には解った。
可愛い奴だ。
ともだちにシェアしよう!