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第170話 就職話し(拓真)
久し振りに皆んなで夕飯食べながらの就職.就活の話しを聞いていたが、俺には余り関係無いから口出しはしなかった。
就活を始めた山瀬.意外な就職先を考えていた内田.迷ってる中嶋.武史の出版社と大変だなぁと他人事のように聞いていた。
けど、和希が聞かれた時は、俺も就職の事聞いて無かったと今更のように思った。
「IT企業に就職しようと考えてる」と和希が言った時には、そうだろうなとは思った。
大学で和希と内田は情報処理.IT関連の講義を受けているからだ。
そっか~、IT企業なら就活も早く決まりそうだなとか勝手に考えていると「拓真は?」聞かれた。
「俺は叔父さん所に就職決まってる。店舗の内装デザイン.今は空間デザインって言うのかなぁ叔父さんが会社経営してるから、そこの営業やりながら、デザインも勉強するつもりだ」
「拓真、就職決まってんのぉ~。いいなぁ」
「ちゃっかりしてるよな」
内田と中嶋に言われ、これから就活する奴らの前で言いたく無かったが、聞かれたから仕方無いと思って言ったら案の定だ。
だから嫌だったんだ言うの。
就活の苦労しないで楽出来て良いとか捏ねが有って羨ましいとか言われるのが…腹ん中でそう思ってるが顔に出さずにいた。
「拓真は夏休みやGWとか叔父さんの会社でバイトして頑張ってたんだよ。ちゃんと将来の事見越してたんだね」
和希がフォローしてくれ、俺の事をやはり解ってくれるのは和希だと改めて思った。
「悪い。変な意味じゃ無かったんだ」
「逆に、俺達が遊んでる時にきちんと考えてたんだ。拓真って意外だよなぁ」
中嶋から謝まられて内田からは変なフォローされて、俺の気持ちも治った。
「んまぁ。叔父さん所には子供居ないし、興味有ったらって言われて、金貰えるしバイトがてら様子みてたんだけどな。段々と店舗が出来る課程やらが面白いかもって思い始めてきたし、インテリとかも興味あるし」
「そっかぁ~。皆んな其々考えてんだな。当分は就活とか忙しいと思うけど…。早く決めて拓真と遊ぼうぜ」
「俺と遊ぶ事を目的に頑張れよ!」
「ったく、上から目線かよぉ~」
俺の嫌味にも笑って受け流し、いつも通りの雰囲気に戻った。
それからは下らない話しで盛り上がり、笑って過ごした。
良い機会だ。
1度、和希と就職の件話すかと頭で考えていた。
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