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第176話 仲間(和樹)

久し振りに学食で、皆んな揃った日。 「なあ、今日って皆んな忙しい?俺、ストレス溜まってっから、サ-クルに行って打って来ようかなって思ってるんだけど、行かねえ?皆んな揃うのも久し振りじゃん」 「いいねぇ~」 「俺もストレス溜まってるからなぁ~」 「俺も良いよ。久し振りに体を動かしたいし。拓真と武史は?行こうよ」 「そうだな。たまには体動かすか」 「和樹が行くなら」 皆んな揃うのも本当に久し振りで、俺も就職の事とかで何となく気持ちが落ちていたから、久し振りに楽しくなりそうと思った。 拓真とも俺が忙しくなり始めたから、泊まりに行ったりとか遠退いていたから、皆んなで楽しく過ごすとまた気分も変わると思っていた。 2時間程テニスで汗を流し、お腹が空いたと皆んなでファミレスに来ていた。 「あ~腹減ったぁ」 「先に、食べ物頼んじゃおうぜ」 「そうだな」 それぞれメニューを見て注文をし、もちろんドリンクバー付きだ。 ドリンクバーで飲み物を持って来て一気飲みし、また持って来てやっと一息着いた。 俺だけじゃ無く、皆んな同じ様で笑いが漏れた。 料理が届き久し振りに体を動かして、お腹が空いてたから皆んなガツガツ…と食べていた。 「はあ~、腹も落ち着いた~」 「やっぱ、体を動かすと飯も美味いな」 「明日には筋肉痛じゃねぇ~」 「言えてる~」 はははは…ははは…… 「それにしても内田、テニス下手になったんじゃねぇ~」 「人の事言えんのかよ~。中嶋こそ鈍ってたぞ。サ-ブなかなか入んなかったじゃん。そう思わねぇ?山瀬」 「まあ、似たり寄ったりって感じ?」 「「お前が言うなよ!」」 「まあ.まあ。久し振りにテニスしたんだから」 懐かしい言い合いに、俺が間に入って話すと今度は俺に矛先が来た。 「和樹に言われたくねぇ~」 「何で?」 「だってよぉ~。始めはサ-ブも入んないしリタ-ンがログが多くなってた~」 「え~、そんなの皆んなもだったじゃん。内田も酷かったよぉ~。それに最初だけでしょ?最後の方は感も戻ってたし」 「いや俺より和樹の方が酷かった~」 「内田だよ~。ね、武史」 「……内田」 「武史は和樹の味方だからなぁ~、当てになんねぇ~からな。どっちだと思う、拓真?和樹だよな」 「内田!」 「即答かよぉ~」 また、皆んなゲラゲラ…笑い出した。 久し振りに、このメンバーで集まって楽しい♪と思っていた。 ドリンクバーを行ったり来たりして、話が弾み進む内に段々と今の自分の状況の話になってきていた。 教育実習行って緊張した話や教員免許の話。 公務員試験受けるのに勉強が大変な話。 家業を継ぐのに税金.経営の勉強を始めた話。 俺も就職説明会.就職の話をした。 「決まってるのは武史と拓真か~。良いなぁ~」 「まあな」 始めの方は話に加わっていた拓真が飽きたのか?スマホを見ながら返事をしていた。 気分屋の拓真の事だからと興味が無くなったりするといつもの事だと皆んなそんな態度でも気にして無かった。 「武史は出発社に決まったんだ?」 「ああ」 「そうなんだよ。本屋でバイトしてて出版社の人が声を掛けてくれたらしいよ。武史が頑張ってバイトしてたのが報われたんだよ。見てる人はちゃんと居たって事だよ」 「ありがとう、和樹」 「そうだな。武史、寡黙に頑張ってたんだな。日頃の武史の行いだ」 「俺達も頑張んないとな」 「だな。俺、何か煮詰まってて、今日良い気分転換になった」 「俺も」 「俺も」 俺だけじゃなく皆んな大変なんだと思った。 拓真が話に加わらなかった事が少しだけ気になったけど、自分の事で手一杯だった。

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