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第178話 遊び仲間(拓真)
あの飲み会の時から、佐々木と金子と遊ぶ様になった
あの時のOLとは飲んだだけで何も無い、相手も学生とはその場限りだったんだろう。
一応、佐々木と金子は携帯番号をゲットしていたが、俺は断った。
どうせ、その場限りの暇潰し相手だ。
週1~2ぐらいで飲みや合コンに誘われたが、和樹の手前2回に1回は断ったりしていた。
合コンに誘われた時は、一応和樹にも「どうしてもって、頼まれて仕方無く」「どうせ、女集めの餌だし」と、適当に言い訳を話し仕方無く行く風を装った。
「それなら仕方無いね。拓真も付き合いがあるだろうし」と言われ「行って欲しく無い」とは言わなかったのが、俺には、今は自分の事で忙しいから俺の相手はしてられないって、突き離されたように思った。
前の和樹なら、そんな事は言わなかったと思う。
それでも始めの何回かの合コンは行く事を事前に話し自分のアパートにも1次会で帰って来ていた。
だいぶ前だが、先輩に頼まれて合コンした時に俺のアパートで待って居た事があったから、また待ってるかも知れないと思ったが、期待とは違って和樹は待って居なかった事にがっかりした。
前の和樹なら俺が帰って来るのを今か.今かと待ってたはずだが、俺を信用してるのか?それとも今は俺には構ってられないと思ってるのか?
それでも就活に忙しいんだ.仕方無いと、俺も思う事にしていた。
就活があるって言うのに、和樹はバイトは辞めず週1で入ってる事も俺には不満だった。
なぜバイト辞め無いのか?
就活で以前より会えない時が多くなってるのに、バイトする暇があったら俺と会え!って、俺だけが和樹と会いたいと思ってるのも悔しい。
そんな些細な不満と和樹の就活が終わらないイライラが募り始めていた。
そんな俺に佐々木や金子が誘う合コンやら飲みは良い気分転換と暇潰しになっていた。
和樹がそんな俺に不安になって居た事は気づきもせず自分の事しか考えてなかった。
何回目かの合コンに誘われた時だった。
個室のある居酒屋で、幹事は佐々木で俺と金子のいつものメンバーに、相手の方は以前佐々木達が合コンした事があるらしく、女子大生3人が来ていた。
「佐々木君、彼が言ってたカッコいい人?」
「そう.そう。大学でも1.2を争うイケメン」
「本当~、カッコいい~」
言われ慣れてるし人寄せバンダだし、俺は特にリアクションしなかった。
それから自己紹介が始まった。
女子の名前は百合.沙也加.茜の3人だ。
合コン慣れしてるのか?かなり積極的でノリも良い。
場は佐々木が盛り上げ金子が女子に気遣い2人の連係プレーで、女達は上機嫌で酒も進んでいた。
俺も場の雰囲気を壊さない程度には、飲み話も合わせていた。
席も入り乱れ男女が隣同士になり、それぞれ話し始めた。
佐々木はノリが良い可愛い系の茜と金子は大人っぽい百合と、俺は綺麗系だが積極的な沙也加と話す事になった。
沙也加は結構飲んでるらしく、俺に腕を絡ませて大きく開いた胸元の胸を押し付けて甘える様に話す。
「ねぇ~、拓真君ってカッコいいからモテるでしょ?」
「まあな」
「うわぁ~、普通だとそうでも無いよとか言うのに~、でも拓真君が言うと何か~許せる~」
「そうか?」
「百合も茜もカッコいいって言ってたけど。今回は私に譲って貰っちゃった~」
「譲るって、俺には選ぶ権利無い訳?」
「私じゃあ不満?」
グイグイ自慢なんだろう胸を押し付けてくる。
腕に柔らかい感触。
「どうかな?」
「んもう~、だめ~?」
腕を絡め肩に頭を乗せ寄りかかる。
こんな事はいつもの事だ、場の雰囲気を壊さない様に.好きな様に放っておく。
佐々木も金子も良い雰囲気だ。
今まで誘われた合コンで1番積極的でノリが良いし、皆んな酒も結構飲んでほろ酔い状態だ。
どうせ早く帰っても待ってる人が居る筈が無いと思うとイラつきと寂しさで、その時の俺は結構飲んで居た
飲んでもイライラが消える訳じゃあ無いが……。
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