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第187話 優しさ(和樹)

この間受けた会社から連絡があった。 ‘内定’ と言う言葉に、何度も確認しそうになった。 嬉しくって、直ぐに拓真のアパートに報告に行った。 拓真は昼近いのにまだ寝ていたけど、俺が「第2希望の会社受かったぁ~」報告すると、拓真も自分の事の様に喜んで「良かった.良かったなぁ~。頑張ったな」って言って頭を撫でてくれた。 「今日は何も予定無かったらお祝いしようぜ。和樹の方が先に終わるだろ?俺のアパートで待ってろよ」 「うん!」 拓真がお祝いしてくれるって言われて、凄~く嬉しかったけど、第2希望が受かったくらいで大袈裟で少し気恥ずかしかった。 けど、俺が初めて受けて落ちた日に泣き付いた事が、拓真の頭にもあるのか?凄~く優しい拓真。 2人でお祝いも楽しみだ♪ 午後から2人で大学に行き学部が違う拓真とは分かれ、同じ学部の親しい人には前に落ちた事で心配掛けた事もあって一応報告した。 皆んなも就活の大変さが解ってるから喜んでくれた。 達也にもラインで第2希望だけど受かった事と、これで一応は一安心だけど、まだ本命や他も何社か受けると言うLINEをした。 達也からも"良かったな、俺も本命は受かったけど、まだ他も受けてみるつもりだ。お互い頑張ろ!"と返信がきた。 皆んなの話を聞くと、やはり落ちたり受かったりと色々で、それでも少しでも希望の所に行こうと皆んなも頑張ってる話しを聞くと、俺も第2希望受かったからと気を抜かず頑張ろうと思った。 でも、今日だけは拓真と浮かれてお祝いしたい。 「和樹~」 あっ、帰ってきた~。 俺が拓真の部屋に着いてから1時間程経った頃。 「お帰り~♪」 「ん、ただいま♪」 玄関まで迎えに行くと、ギュっと抱きしめられた。 「拓真?」 「なんか、玄関まで迎えに来て ‘お帰り~’って、すげぇ~良いと思って」 「そんな事で?拓真って可愛い~♪」 「和樹の方が可愛い~♪」 久し振りにのイチャイチャが凄く嬉しかった。 「そうだ。お祝いと思ってケ-キ買ってきた。後、安もんだけどワインもな」 「うわぁ~、嬉しい~♪ でも1社受かっただけで、こんなにして貰うの恥ずかしい~」 「この間 ‘拓真~、落ちた~’って、ピーピー泣いてただろう。それを考えると受かった事が奇跡じゃん。ま、これで少しは就活楽になるな」 「ピーピーは泣いてないよぉ~。でも、ありがとう。ケ-キとワイン冷蔵庫入れるね」 「そうだ。夕飯もついでに惣菜買って来たから、それ食べようぜ」 「拓真~、気が効く~」 「俺、腹減った~。飯、食べよう」 「うん♪」 拓真が買って来た惣菜を並べて、お握りと一緒に食べた。 2人で食べると買って来たものでも、凄く美味しく感じた。 何より、拓真の優しさが凄く嬉しかった。

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