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第190話 遊び相手は事欠かない①(拓真)

あの構内での出来事で、和樹から問い詰められるまではいかなかったが、マズイと自分でも思い、それから佐々木や金子に誘われても行く事は控えていた。 「金が無え~」とか言っても「金出すから、今回だけ。頼む」と手を合わせられると「仕方ねぇ~」と3回に1回だけ合コンにも参加した。 この間の事を反省し、幾ら色目を使われて誘われても本当に割り切れる女じゃないと寝ない事にした。 また大学までしつこく来られても迷惑だからな。 そんな日々が続き、俺が遊び歩いてると噂が立ち、あの構内の事も引き金になったのか?知らない女から携帯に電話が掛かってくるようになった。 その日もアパートで携帯を見てると♪♪♪♪~♪♪♪♪ 「澪?誰だ?」 電話に出ると 「拓真ぁ~。私~澪だよぉ~。覚えてる?」 心当たりがないが、寝た女やデ-トした女の事を一々覚えて無い。 「誰だ?覚えてねぇ~」 「んもう、相変わらず冷たいんだから。1年前に遊んだでしょ?ずっと大人しくしてると思ったら、また最近遊んでるんだってぇ~」 「俺の勝手だろ。んで、澪。何か用?」 「澪~、彼氏と別れてムシャクシャしてるから拓真、暇だったら遊ばない?」 「はあ?何で、俺がお前と遊ばなきゃ何ねぇ~んだよ」 そう言ったが、もしかして合コンなんかより良いかもと思い始めた。 「良いじゃん。ダメ元で電話してみた~」 バカっぽいし遊んでる口調で、これならしつこくしなさそうだと思った。 「そうだなぁ~。遊んでやっても良いけど…ただし、しつこくされるのが嫌なんだよなぁ~。勘違いされたり本当興醒め。割り切ってくれなきゃ遊ばない!」 「そんなの拓真の事知ってる人なら、解ってるわよ(笑笑) 澪もそんなつもり無いから~。ちょっと彼氏にあんたより良い男なんて直ぐに出来るって、見せつけてやりたいだけ~」 そんな事か~、ま、俺の所に電話するような奴だしな。 そっちが俺を利用するなら、俺も利用してやる! 「そんな事で良いのか?別に良いぜ」 「うっそ~。じゃあ、明日デ-トしない?」 「ああ、解った。場所と時間教えろ」 「う~、そうねぇ~。2時に渋谷でどお?」 「解った。これだけは確認しておくぞ。遊んでやっても良いが、しつこくしたり勘違いしたりするなよ!」 「もう、解ってるって~。じゃあ明日ねぇ、~楽しみ~♪」 通話を切って携帯を置いた。 「勝手に楽しみにしろ。どうせ、俺の暇潰しだしな」 でも、考えようによったら、合コンなんかより良いかも知れない。 俺の事知ってて連絡してくるって事は割り切れる女か遊んでる女だろうから、こっちの方が素性も知れてるし遊び易いかも知れない。 この電話がキッカケで、他の女からも連絡来るようになった。 俺は覚えて無いが、多分1度ぐらいデ-トしたか.寝た女なんだろう。 合コンなんか行かなくっとも憂さ晴らしは出来る、連絡きた女に始めにキツく話し、それでも良いからって女だけと遊びはじめた。 「拓真ぁ~。久し振り~♪」 「ああ」 正直、澪って女を覚えてなかった。 顔はまあまあで可愛い系だが、アイメイクに力入れてるのが解る。 洋服もスカ-ト短めので露出が多い、いかにも遊んでる感じだ。 「拓真、やっぱりカッコいい~♪ 遊ばなくなったって聞いてがっかりしてたけど~、また遊びはじめたの?」 「暇潰し~」 「んもう~、相変わらずねぇ~。暇潰しにでも良いから、どっか行こう~♪」 「どっかって、どこ?」 「ん~洋服見たいから、適当にふらふらしてお店入る?でも109は絶対行きた~い♪」 「解った。じゃあ、適当に歩こうぜ」 腕を組んできたがそのままで歩き、1人で勝手に喋り黙って相槌をうって聞いていた。 女のお喋りは悪口とか自分の自慢話しで疲れる。 良さそうな所があると店に寄り、服を買いもしないのに試着し俺に見せるが「良いんじゃねぇ~」と興味が無いから適当に答える。 結局買わずに店を出て他の店にも行き、今、流行りのスイ-ツの店に並び、食べたくも無いが買って歩きながら食べた。 何軒か回って結構な時間になり、最後に109に行き、そこではアクセサリーを買っていた。 買い物も結局アクセサリーだけだ。 歩き疲れた。 「拓真ぁ~、お腹空かない?」 「空いたけど、疲れた~」 「じゃあ、どっかで飲みながら食べない?」 「ああ、そうだな。渋谷から離れようぜ。人が多くって疲れる」 場所を移動する為に電車に乗った。

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