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第191話 遊び相手には事欠かない②(拓真)

「乾杯~♪」 「乾杯」 居酒屋でつまみを何種類か頼み生ビールで乾杯した。 歩き疲れた体に良く染み渡って美味かった。 「はあ~、美味い」 「ああ」 俺の肩に頭を乗せ馴れ馴れしく甘える仕草をするが放っておく。 「拓真ぁ~、聞いてよぉ~」 別れた彼氏の悪口を始め散々言って飲んで食べてる澪を見て、未練タラタラじゃねぇ~のと、心で思ってたが黙って聞いて飲んでいた。 「それで」 「でねぇ~、酷いのよぉ~。自分が遊んでる癖に私が遊んでるって言うの。で、私の友達と浮気してんのよぉ~。酷くない?」 「酷いな。責めて知らない奴とすれば良いのにな。で、お前は遊んで無かったのか?」 「だってぇ~、私がいるのに遊んでるあいつが悔しくって~」 「で、浮気したの?」 「あいつがしてるのにしちゃいけない?」 「別れたって言ってたけど、本当は別れて無いんじゃねぇ?」 同じ穴の狢(むじな)じゃねぇ~か。 「別れて無いけど~、私の友達とスル事ないじゃん」 「まあな。でも浮気だろ?結局、お前の所に戻るんじゃねぇ~」 「そうかもね。でも、他の人なら我慢も出来るし私も浮気して憂さ晴らしするけど、今回の友達は流石に……。ねぇ~、拓真ぁ~」 こいつ結構飲んでるな。 さっきから話しててベタベタ触ってきてるし、誘ってるのが解った。 「何?」 「拓真ぁ~、いいでしょう?」 「何が?」 俺の肩に頭を乗せ腕を組んでくるから自然と腕に柔らかい胸が当たる。 「悔しい~の。で、あいつより良い男と浮気してやるの。ねぇ~拓真ぁ」 「どうするかなぁ~。俺、1回寝たらもう寝ないよ?それに電話でも話たけど、しつこい女嫌なんだ」 「それなら大丈夫。私も遊びだし、あいつを見返してやりたいだけだから。私もこんな良い男とシテるのよって」 「それだと、言い触らす感じだなぁ~。そう言う女、次から次へとくるから勘弁してほしい。他に話すなら止めとく」 「言ったりしないからぁ~。私の中だけで思ってるだけだから、ただ単に自己満足なの。腹の中で笑ってやるのよ。それなら良いでしょう?」 「う~どうするかなぁ~。ヤルだけなら朝まで一緒に居ないし終電までには帰ってくれ」 「うん、それで良い~からぁ」 「それなら、俺のアパートが近いから」 「拓真のアパート行って良いの?」 「けど、今回だけだ。次、来ても追い返すからな」 「それでも良い~♪」 相当ヤリたいのか?彼氏に不満があるらしい。 1回だけのヤリマン女にホテル代出すのが馬鹿らしいと思った。 「じゃあ、行こう.行こう。拓真の気が変わらないうちに~」 ホテル代の代わりに居酒屋の支払いは俺がした。 そのまま電車に乗って、俺のアパートに2人で行った。 今日は、確か、和樹は同じ学部の奴らと飯食いに行くって言ってたし。 澪も俺で憂さ晴らしするつもりらしいから、俺も今日はこの女で憂さ晴らししてやる。

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