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第200話 蜜月?①(拓真)

「んん…拓真?」 俺の腕の中で、もぞもぞ動く気配で、俺も目が覚めた 「和樹、起きたのか?」 「ん、俺、寝ちゃった?」 俺の顔を寝ぼけ眼で見て、あどけない表情で子供っぽい。 昨日のセックスの時に見せた色気は微塵も感じさせないが、これはこれで可愛い~。 「ああ、俺も久し振りでガンガンヤッちまったからな和樹、飛んだ」 「えっ、ごめん」 「いや、俺が始めっから飛ばしたのが悪かったんだ。俺の予定では、後2回ヤルつもりだったから、その分は今日な」 ニヤニヤ厭らしく笑う。 「え~、そんなに~。俺、死んじゃうかも」 「大丈夫.大丈夫。和樹って見た目より頑丈だからな。それに死なれたら困るから、死なない手前で解放してやる」 くっくっくっくっ…… 「拓真の冗談って、怖っ!」 俺の腕の中で小さな体を縮めて、わざとブルブル震わせてる。 本当、面白れぇ~。 「拓真ぁ~。お腹空いたけど、今、何時?」 時計を見ると昼近かった。 「昼になる」 「通りで、お腹空いたと思った」 「カップラーメンしか無いぞ」 「うん、それで良い~よ」 和樹と久し振りに一緒の朝を迎えた、そんな時に俺のスマホが鳴った。 「誰だ?」 今は誰にも邪魔されたく無かったが、一応、相手を確認した。 真美?誰だ? 無視だ.無視! なかなか出ない俺に和樹が「出ないの?」と言われ、ここで出ないのも変か?と出る事にした。 「はい」 如何にも機嫌悪く出る。 「拓真ぁ~、やっと出た~。夏休みだし遊ばない?」 行成りテンション高く言われ邪魔された事もあり、俺は冷たく対応した。 「はあ?俺、忙しい~し。煩え~から切るわ、2度と電話すんな!」 そう言って電源事切った。 もう誰にも邪魔されたく無い。 「……拓真……誰?…いいの?」 和樹の心配そうな不安そうな顔。 迂闊だった、電源切っとけば良かった。 和樹の頭を撫で素知らぬ顔で話す。 「心配すんな。ただの飲みの誘い。人が足りねぇ~んじゃねぇ?面倒だから、電話切った」 「そう……」 「今日.明日と和樹と一緒に居られる方が大事だ。飲み会とか合コンなんて暇潰しに行ってるだけだからな」 「うん。俺も拓真と居たい」 「じゃあ、和樹に満足して貰うまで頑張っちゃうか?その前に腹ごしらえな」 「そこまで頑張らなくっても~」 くっくっくっ…… 俺はベットを出てカップラーメンの湯を沸かしにキッチンに行った。 ったく、何だって電話してくんだよ。 真美?誰だ?知らねぇ~ぞ。 俺が覚えて無くても、あっちが覚えてる可能性もあるか? 1回ぐらいデ-トしたりヤッタ女なんて、いちいち覚えてらんねぇ~し、その類だろうな。 ヤバかったな。 和樹、変に思わなかったか?一応、誤魔化したから大丈夫だろう。 電源切ったから、もう面倒な電話掛かってくる事もねぇ~し、この2日間は和樹と……。 その後の夏休みどうすっかな? 和樹はまた就活だろうし、こっちいても面倒だな。 今回は和樹と一緒に過ごす為に帰って来たようなもんだ。 用も無くなるし……。 考え事してたら湯が沸いた。 カップラーメンに湯を入れ、昨日買ってきて置いた食パンだけ2枚焼いた。 「和樹~、カップラーメンできたぞ」 「うん。今、行く~」 テ-ブルにカップラーメンと食パンを置いて待つ。 「美味しいね♪」 カップラーメンでも美味しいって言って食べる和樹にそんなもんしか用意して無かったと、気の効かない自分に反省する。 ズルズルズル~… 「和樹、後で夕飯買いに行くから何食べたい?」 「俺も行くよ」 「いや、俺がサッサッと買ってくる」 「じゃあ、何か作ろうよ。一緒に」 「俺、何も出来ないぞ」 「うん、いいよ。でも、一緒に作るの楽しそうじゃん」 「そうだな。じゃあ、材料メモしてくれ」 「うん」 一緒に夕飯作る事になったが、それも和樹が楽しそうって言うと、何だか楽しいイベントみたいだ。 そう言うのも良いかも知れないと、いつもの俺なら面倒くせぇ~と言う所だが、和樹と一緒だと楽しそうに思うから不思議だ。 和樹が俺と一緒に楽しもうと言う雰囲気を醸し出してるからかな。 我儘で好き嫌いが多く面倒事が嫌いな俺が和樹と居ると自然体になれる。

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