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第206話 (和樹)

3日間、拓真と過ごし自分の部屋に戻った。 部屋に入ってベットにダイブして、そのまま疲労困憊で泥のように眠った。 寝てすっきりした頭で、この3日間の事を考えていた。 拓真が何度も何度も俺を求めて、体力的には辛かったけど、凄く嬉しかった。 「和樹、好きだ」と、何度も言ってくれた。 単純だけど、それだけで浮気の事や噂の事は吹き飛んだ。 浮気されても拓真が俺を好きだと言うなら.俺の元に戻ってくるならと、信じようと思った。 単純だなぁ~。 でも、好きなんだ。 どんな事があっても、拓真が好きって言ってくれる限り、俺からは離れない。 それに帰り際に、叔父さんの所でバイトするって言ったのも嬉しかった。 拓真が少なくとも夏休み中は浮気しないと言ってるように聞こえた、違うか、そう都合良く思おうとしたのかも。 でも良い、拓真がそう言ってくれただけで、俺は頑張れる。 2日後の本命の面接頑張ろう。 「ありがとうございました」 本命の面接を受け、自分では上々の出来だと思った。 筆記試験も大丈夫だと思う。 今、出来る事はした。 気分は晴れやかだ。 そのまま自分のアパートに帰って、拓真はバイト中かな?と思ったけどLineした。 “今日、本命の会社面接と筆記試験やって来た~” 直ぐには返信が無かったけど、暫くするとLineがきた “お疲れさん。どうだった?” 心配してくれてると、笑顔になる。 “出来る事はやったから、悔い無しって感じ” “和樹がそう思うなら良かった” “今までの就活での面接や筆記試験のお陰で落ち着いて出来たと思う。拓真はバイトどう?“ "すっげぇ~、こき使われてる” “そっちに、いつまで居るの?” “叔父さんに、こんなこき使うならバイト弾んでくれって言ったら了解してくれたから、面倒だから、残りの夏休み中はこっちでバイトして金稼ぐ” “じゃあ、大学始まったら会えるね” “寂しいだろうけど、我慢しろよ” “あと10日ぐらいじゃん。じゃあ、俺も半分バイト入れて残りは実家帰るよ” “そうか。解った” “じゃあ、バイト頑張って” 拓真とのLineも済んでバイト先に連絡して、俺の大学最後の夏休みは終わった。 実家に帰って、就活始まる前から母親は「家から通える会社にしたら」と言われてたけど、就活始まって拓真の就職先の近くを探した。 この前に実家に帰った時にも「就活どうなってるの?」と聞かれ、何社か受かった事を話したら一先ず安心してくれた。 でも、まだお母さんは「近くも受けてみたら」と諦めてない様子だった。 お父さんと姉さんが「男なら自立するのも勉強だ」「家には私が居るからいいじゃん」と、俺を後押ししてくれた。 お母さんは4年も離れていた所為か? 親離れする様で寂しそうだった。 その事もあり、残りの半分は実家に居ようと思った。 就活が優先だったけど、花火大会と拓真の部屋で過ごした3日間が凄く良い思い出になった。 あと1社の筆記.面接で、俺の就活も終わる。 拓真の就職先からは離れた場所の会社だ。 拓真には言ってない。 受けるだけ受けてみたい。 どうするか?は、その後に考えよう。

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