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第219話 (拓真)
和樹の異変にも気付きもせずに、俺は週1~2で店に通っていた。
莉久との事があって以来、ここには相手を見つける事が目的になりつつあった。
その心境の変化は、莉久にあった。
莉久とセックスした後に、お互いスッキリさっぱりと別れたのが原因だ。
女はしつこかったりするが、男はそう言う事も無く後腐れが無いと思ったからだ。
もう1つの要因は、莉久と泥酔い状態じゃなく和樹じゃないと解って上でシタ事によって、背格好が和樹に似てるなら.和樹の代わりにデキルと思った。
それからは、この店で和樹に似た雰囲気や背格好の人を相手にする様になった。
店での駆引きを楽しみ、その後に意気投合すればラブホに行き部屋を暗くすれば、相手を和樹だと思い込めばセックスもできた。
莉久以外に2人程抱いた。
莉久とはあの後1度だけ店で会ったが、莉久には既に相手が居るらしくイチャイチャしていた。
話し掛けてきた時は話しもするが、俺も莉久も友達感覚で接して居た。
莉久が立ち去り、お代わりの酒が置かれマスターが話し掛けた。
「ほら、あれ莉ちゃんの彼氏よ。カッコいいでしょ?」
イチャイチャしてたのは彼氏か~、なる程ね。
小柄な莉久に対して、大柄でヤンチャっぽいが整った顔をしてモテそうな感じだ。
「彼氏、浮気性なのよ。莉ちゃん、それで苦労してるんだけど……。彼氏がわざと解るように浮気して、莉ちゃんもあの性格だから浮気し返すのよね。それで、彼氏にお仕置きだって激しいセックスされるらしいのよ。嬉しそうに話してるから、2人共そう言う性癖なんでしょ?嫉妬させて嫉妬して…みたいな?別れないで1年以上一緒に居るんだから、結局は仲良いのよ。余り深く関わらない方が良いわよ」
へえ~、変わってる性癖だなぁ~。
俺は莉久に良い様に扱われたって事か?
ま、こっちも良い思いはさせて貰ったしな。
今後は適当に相手して関わらない様にすれば良いと思い、マスターにも「ありがとうございます。良く覚えておきます」と返事した。
その後に、俺がトイレに入った時に追い掛けて来たのか?
「拓真ぁ~、キスしよう」
俺に深いキスを仕掛け終わると、サッサとトイレから出て行った。
トイレから戻ると、また彼氏とイチャイチャしてたから、何なんだ?とは思ったが、遊び慣れてる莉久とのそんな駆引きも面白かった。
相手が見つからない時には、ただ飲んで帰ったりしたが、そう言う時は女を部屋で抱いたりもしていた。
いつでも女の方から寄って来るから、別に探さなくとも相手に困らなかった。
それでもデ-トしたりと、やはり女の方が面倒だと思って居た。
俺は週1多くて2で店に通い、好みの相手が見つかったらラブホに行き、見つからない時には女で代用し、忙しそうな和樹とも週1で会って居た。
そうやって和樹の居ない寂しさを埋めて居た。
和樹が忙しい中で、俺の事で思い悩んでるとも知らずに、自分の事だけまた身勝手に考えて居た。
和樹が食欲も無く体に不調を兆してるとは思わずに居た。
この時の俺は今だけ.今だけと遊び、和樹を好きだが、余り連絡をして居なかった。
面白い遊び場を知って、面倒事が無いからって開き直っていた。
和樹なら俺の事をずっと好きで居てくれると言う自信もあった。
和樹が卒論提出する時まで今の忙しさが無くなるまでと考え区切りは自分で付けていた。
その後は和樹とずっと一緒に居るんだ……と。
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